密漁されたものが流通ルートに入ると正規に漁獲したものと見分けがつかないのが実態だ。水産庁は6月、密漁の恐れがある特定の魚種を対象として、正規に漁獲したことを公的に示す「漁獲証明」制度の創設を提言。新制度では漁業協同組合などが漁獲証明を発行し、水産物にタグやシールなどを付けて表示。漁獲証明がなければ加工業者などに販売できず、輸出の際に必要な証明書も発行されないようにする。これにより、密漁された水産物の流通を阻止できるようになる。
水産資源の管理や違法漁業の撲滅を目指すため、水産物へのトレーサビリティー(生産流通履歴)導入が必要な段階にきている。水産庁はこうした動きについて「不正に捕った水産物を市場から排除すれば、漁業者の利益確保につながり輸出を促進させることができる」としている。