2020年7月1日からレジ袋が有料化になりました。これは容器包装リサイクル法で「プラスチックのごみを減らすように皆さん努力しましょう」という趣旨の法律なんですけども、その省令(☆)が改正されて、「プラスチック製の買い物袋は有償で提供しなければならない」となりました。同省令に従って各コンビニやスーパー、テイクアウトのお店なんかもレジ袋が有料となっているわけです。
・石油の節約という観点からみると―
プラスチックの原料となるのは石油ですけど、その石油全体に占めるプラスチックの割合はわずか3パーセントなんです。袋に限らず、車などに使われるものなども含む、あらゆるプラスチックを含めても、3パーセントなんです。それで、さらにレジ袋に絞ると本当に微々たるものです。石油の8割は熱源や動力源として消費されていますので、圧倒的な差があります。
・では、今回の改正の主な理由は何なのか……?
プラスチックのごみが回収されたり、リサイクルされたりと、そういった回収ルートから外れたものが川に流れ、海に流れ、海洋生物がそれを食べて、魚の胃袋から分解できないプラごみがたくさん見つかる由々しき事態が世界中で発生しています。これではいかんだろうと、何とかプラごみを出さないようにしましょうという、その一環がレジ袋の有料化なんですね。ただでもらえなくなると、使用にブレーキがかかるだろうとの発想です。
経産省などが音頭をとって、レジ袋有料化に取り組んでいるんですけど、おそらく、海洋汚染の警鐘を鳴らすのに、いちばん身近でわかりやすいため、レジ袋から入ったのかなと思っています。
ただ、今回「全面的に有料化」ではないんです。たとえば、豆腐など水気の多いものなどを買ったら、薄っぺらい袋に入れますが、この袋は取っ手が付いていないため有料の枠組みから外れ、無料で提供してもいいんです。同様に紙製や布製もOK。あと、ややこしいのが、バイオマス原料を4分の1以上使っているレジ袋も無料提供が許されているんですが、バイオマスは植物由来だからといえども4分の3はプラスチックですので、結局プラスチックなんですね。これがいいというのはいかがなものか?という疑問もあります。
あと、店員の手間が増えます。ポイントや支払い方法などただでさえ、確認事項が多いにもかかわらず、まず「レジ袋いりますか?」と尋ねる必要があり、さらに「マイバッグに入れましょうか?」といった確認もしなければならず、余計な時間がかかるんですね。有料化したことを知らない人が、暴言を吐くなんてことも実際ありました。
これをきっかけに、今後は、セルフレジがどんどん増えていくのではないかと思います。できるだけセルフレジにお客さんを移して、客に対応する時間を有料化前とプラスマイナス・ゼロにしようというのが、コンビニやスーパーの考えのようですね。