暑い環境での運動や作業を始めてから3~4日で汗をかくための自律神経の反応が速くなって、体温上昇を防ぐのが上手になります。3~4週間経つと、汗に無駄な塩分を出さないようになり、熱けいれん(こむらがえり)や塩分欠乏によるその他の症状が生じるのを防ぎます。
運動直後30分以内に糖質とタンパク質を含んだ食品(例えば牛乳1~2杯)を補給することで、血液量を増加し、熱放散能力を改善することが報告されています。睡眠や食事も十分にとりましょう。心臓や肺、腎臓などに疾患のある人は事前に主治医に相談してください。
――梅雨明けした後の予防策はありますか?
喉がかわく前にこまめな水分補給をしてください。特に入浴前後や、就寝前、起床後です。水は一度にたくさん飲んでも身体にうまく吸収できません。こまめに水分を摂ることが大切。5~15℃の温度が身体に吸収しやすく冷却効果も高いといわれているので覚えておきましょう。アルコールは利尿作用により、摂取した水分以上に体外へ出てしまうため、お酒を飲むことは水分補給ではありません。また、屋内でも熱中症になることがあります。お部屋では室温28℃を目安に、エアコンや扇風機を使いましょう。
――熱中症を防ぐために参考となる指標はありますか?
熱中症指数(WBGT)が高く危険なときは、屋外での運動や作業は控えてください。指数は、環境省のホ―ムペ―ジで確認できます(各地の実測値や3日後までの予測値)。また、危険な指数になった際にメ―ルが送られるようなサ―ビスもあります。
去年(2019年)、神戸市内で発生した熱中症の救急搬送者数は715名です。その内56%が65歳以上。暑さを感じにくい高齢者や、小さなお子さんは特に注意が必要です。また去年は61%の方が屋内で熱中症になっていますので注意しましょう。
お話:神戸市消防局救急課救急係 梅木裕史さん
神戸市消防局救急課 ホ―ムペ―ジ
https://www.city.kobe.lg.jp/a84309/bosai/shobo/ambulance/necchu.html
環境省 熱中症予防情報サイト
https://www.wbgt.env.go.jp/
【神戸市内の暑さ指数は、神戸市健康局サイト「熱中症に気をつけましょう」でも掲載】
https://www.city.kobe.lg.jp/a38966/kenko/health/promotion/hyperthermia.html
【環境省の熱中症予防サイトでは暑さ指数のメール配信サービス(無料)を行っている】
https://www.wbgt.env.go.jp/mail_service.php