コロナ禍により、開幕が実に4か月ずれ込むことになった、2020年の女子サッカー・なでしこリーグ。いよいよ7月18日(土)に開幕を迎える。
ゲルト・エンゲルス新監督のもと、2013年シーズン以来のリーグタイトル奪還に燃えるINAC神戸レオネッサ。チームとしての活動が制限されていた4月も含め、オンラインやメディアを通して情報を発信し続けてきた。ここでは、その1つ、ラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)に選手が電話出演したときの模様をお届け。6月29日放送回では、MF伊藤美紀が登場し、番組パーソナリティーの近藤岳登、赤﨑夏実とトークを進めた。
サポーターからは、「小さい! かわいい! なでしこリーグで娘や妹にしたい選手ナンバー1なのでは?」「ピッチでもリスのように動き、キッズチームにまじって集合写真に写るおちゃめさも素敵」「私服もおしゃれ。八重歯がかわいい」とメッセージも寄せられるなど、プレーでも、オフ・ザ・ピッチでも、愛らしい姿が印象的な、伊藤。
ただし、チャームポイントかと思われた八重歯については、あまり気にいっていないという。その理由は、「背も小さい(※身長は150センチ)ので、プレーしていると、相手の手とかひじがよくあたったりとか、そういうので結構口のなかが切れちゃったりする。(口が切れて)縫ったこともある」という経験から。同じく八重歯持ちの元Jリーガー・近藤も、現役時代に接触プレーで同じように口を切ったことがあり、その思いに同調していた。
チームメイトやサポーターからは「いときん」と呼ばれて親しまれる伊藤。「中学のときまでは『イトミキ』って言われていたんです。ただ、その中学時代に、『いときん』って呼び間違えちゃった子がいて、『それ、面白いね』となって、(自分の)メールアドレスにしていたんですよ。そのアドレスのまま(常盤木学園)高校に進んだとき、みんなあだ名があったのですが、私と同じ名前の子がいたので、それでそのアドレスから『いときん』ってなりました。あだ名がずっとほしかったんです、私、2文字だったから、なかなかなくて……。だからすごい気に入っています」。その愛称の由来についても番組でエピソードを語った。
番組途中、選手のリクエスト曲コーナーでは、以前に出演した中島依美と同じく、ナオト・インティライミの「未来へ」をセレクト。「高校生のときから、試合前や、ちょっと悩んでいるときとかに聴いて、元気をもらっていた」(伊藤)と、応援ソングといえる1曲に力を得ているという。
サッカーでは、小柄ながらもタフネスさを発揮し、ピッチを縦横無尽に走り回って攻守に奮闘。ボランチとして守備ではリスクマネジメントをしっかりとりつつ、機を見た攻撃参加も魅力の1つだ。澤穂希さんの現役ラストマッチとなった皇后杯第37回全日本サッカー選手権大会決勝(2015年12月27日)では、澤さんとボランチを組み、チームの優勝に貢献。女子サッカー界のレジェンドのプレーを間近で体感し、その思いや考えを直接受けてきた経験も持つ。
2016年の第38回皇后杯を最後に、タイトルから遠ざかっているINAC神戸。悲願のタイトル奪還のためにも、特別なシーズンとなる2020年、サッカーのできる喜びを感じながら、伊藤はようやくやってくる開幕を楽しみにしている。「雰囲気はすごくいい。チームワークを大事にしようという監督のもとで練習をしていて、『あと3本決まったら終わろう』とか『フィールドプレーヤーが3本決めたら勝ち』とか、そういうシュート練習をしたとき、入ったらみんなで喜んだりとか、そういうところからも雰囲気がいいなと思う」。チーム状態も順調なようで、さらなる飛躍に期待がかかる。
近藤からは、「じゃあ期待できるね!」と声をかけられると、「期待してもらいたいです!」と胸を張った、伊藤。番組最後には「開幕も決まって、選手一丸となって準備をしているので、いい試合をお見せできるように頑張ります。応援よろしくお願いします!」とサポーターにメッセージを送っていた。