もちろん、ほかの観光地同様に現在の城崎温泉は厳しい状況だ。「コロナが流行り始めた頃に、全旅館が5月末まで自主的に休業することを決めた。旅館だけではなく飲食店、みやげ物店などすべての組合が集まって話し合い、感染拡大防止の先手を打った。6月から段階的に営業を再開するにあたり、ここでも関係する全業種が集まって話し合いを持ち、専門家を交えた独自のガイドラインを作成した。外湯の混雑具合がスマホで確認できるシステムなども導入した」。お客様を迎える観光地としての責任だ。その甲斐もあって客足は少しずつ戻りつつある。いまインバウンドが戻る見込みはないので、あらためて国内旅行に期待するという。「例えば首都圏からの旅行者は、もともと全体の10パーセント未満。地元・兵庫県や隣接する鳥取県など近郊からの観光誘客によって、ローカルシーンを盛り上げていくことが大切だ」
・時期を前倒してスタートを切った「GO TOトラベルキャンペーン」
様々な意見や批判はあるものの、交通、宿泊、サービス、エンターテイメント、農水産業など、旅行に関わる経済は幅広く、観光庁が発表した昨年の「国内旅行消費額」は21兆9000億円にものぼる。感染対策などすべての問題に対してベスト・フォー・オールではないかもしれないが、経済との両輪という意味では期待が大きい。
高宮さんは「城崎温泉では独自の感染症対策のガイドラインを常にアップデートし、安全に過ごしていただけるよう、国の基準をすべて満たしている。手続きに必要な宿泊証明書などもスムーズに発行するので安心してお越し下さい」と言う。
各旅館が用意する開湯1300年の記念メニュー、お酒、川沿いに上がる夏の花火、そしてもちろん素晴らしい外湯めぐりの温泉が待っている。「GO TOトラベルキャンペーン」を利用する方は、浴衣に似合う城崎温泉オリジナルのマスクをして柳並木を歩いて欲しい。
※ラジオ関西『ばんばひろふみ!ラジオDEしょー!』2020年7月22日放送回より
城崎温泉観光協会 公式サイト
https://kinosaki-spa.gr.jp/