片岡愛之助や市川猿之助らの怪演が好評のテレビドラマ『半沢直樹』。彼らの本業は歌舞伎役者。その彼らが何回も立った舞台にあなたも上がれるチャンスがやってきた。
舞台は京都・四条の南座。南座は歌舞伎発祥の地に立つ国の登録有形文化財にも指定される芝居小屋だ。数多くの名優たちがこの舞台を踏んだ。『半沢直樹』出演中の片岡愛之助、市川猿之助、香川照之(市川中車)、尾上松也らもそうだ。
体験ツアーは2013年から2015年にも行われ、これまで延べ2万6000人が参加した人気のイベントだ。
今年は新型コロナウイルスのため、南座で予定されていた3月以降の公演がすべて中止に追い込まれたが、今回は人数制限や消毒などの対策をとって8月1日から5年ぶりの開催となった。
今回体験できるのは 舞台上はもちろん、舞台下から上がったり下がったりする迫り(せり)や、役者たちが登場する下手に伸びる「花道」、セットの転換のために使われる「廻り舞台」など。劇場スタッフの説明を受けながら巡るおよそ30分のツアーだ。
迫りで地下から舞台上にゆっくり上がり、少しずつスポットライトが当たっていく瞬間には思わず興奮、役者の気分を味わえる。もちろん体験中の撮影も可能。過去のツアーでは、この日のためにわざわざ着物を身に着けて見学した女性や、舞台から客席に向かって早口言葉の外郎売(ういろううり)の口上を披露した強者もいる。このほか、劇場内の廊下を照らすシャンデリアや、唐破風のある客席内の装飾など、見どころもたくさん。