そのなかで、多く登場するのがブタとオオカミ。「3匹の子ブタ」が大好きだがその結末にショックを受けたという宮西さんは、オオカミを「悪者」ではなく、どこか抜けててチャーミングな「憎めない」存在として描く。
初期の作品から現在まで様々なキャラクターたちを集めたコーナーでは、その表情を楽しめるとともに、作品に合わせて水彩や色鉛筆、グラフィックなど色の塗り方も変えていることがわかる。そして、絵本として完成させる前に自身が作る「ダミー本」も展示。ラフスケッチを綴じたものだがこれを作ることによって完成品をイメージするという。
子どもにとっておとうさんは永遠のヒーローであってほしいという思いから生まれたという「おとうさんはウルトラマン」シリーズは、怪獣と戦いながら子育てに奮闘するウルトラマンと、怪獣もお父さんかもしれないと、バルタン星人や他の人気の怪獣たちの姿も、カラフルな色彩で描かれている。


これまで15作が出版されているティラノサウルスシリーズ。シリーズ当初は版画形式で色をのせていた。1枚の絵は、アウトライン、赤、青、黄色と4枚の原画から作られていたが、5作目以降はCGで色をつけるようになった。展示からはその変化や色の違いも見てとれる。また会場の一角には作品を再現したジオラマが展示されており、作品の世界を立体で感じることができる。

姫路文学館の德重公美学芸員は、「誰もが一度は目にしたことがある作品がきっとあるはず。原画をみて新たな作品に出会うきっかけにしてほしい」と話す。
「宮西達也Newワンダーランド展 ヘンテコリンな絵本の仲間たち」は、姫路文学館で9月6日(日)まで。開館時間は午前10時から午後5時(入館は午後4時30分まで)。観覧料は、一般700円、大学・高校生400円、中学・小学生200円。