2019年に行われたラグビーワールドカップの日本開催に力を尽くした「ミスターラグビー」平尾誠二氏の功績を称え後世に語り継ごうと、神戸港中突堤中央ターミナル「かもめりあ」に8月26日(水)巨大バナーが設置され、オープンセレモニーが開催された。
バナーとなった3点の写真は、いずれもラグビーワールドカップ開催中に世界中のファンが集ったメリケンパークのファンゾーンに掲げられた写真で、平尾誠二氏を30年以上に渡って撮り続けた写真家 岡村啓嗣氏が撮影したもの。現役時代の試合中の姿や、阪神淡路大震災後の街を走る姿や、当時神戸製鋼が開いたラグビー教室の子供たちとの写真など、ラガーマンとして数々の栄光を勝ち得た姿と共に、己との戦いを続ける姿が収められている。
式典には神戸市の恩田薫副市長をはじめ、兵庫県ラグビーフットボール協会の田中会長、ラグビージャーナリスト村上晃一氏など関係者が出席。神戸製鋼の福本正幸チームディレクターは、「平尾さんの写真はラグビー部のクラブハウスにあるが、今日から多くの人が平尾さんに挨拶できるようになった」と語った。セレモニーの最後に平尾誠二氏の長男、昂大さんが登壇し「久しぶりに父に外で会ったような気がしました。この場所にレガシーを残してもらい心から感謝します。」と述べた。
「かもめりあ」に平尾誠二氏の足跡を振り返るバナー設置を決定したのは、平尾誠二氏を兄と慕い、長きにわたり家族ぐるみの交流を行ってきた早駒運輸株式会社社長、メリケンパーク協議会会長の渡辺真二さん。平尾誠二氏と渡辺真二氏の交流は、2人の共通の友人である京都iPS研究所所長の山中伸弥氏の著書「友情2」に詳しく記載されている。
渡辺氏は神戸初の女子ラグビーチーム「神戸ファストジャイロ」を創立。神戸から世界にむけて日本の女子ラグビーの普及にも尽力している。セレモニーでは、神戸ファストジャイロの選手がアシスタントを努めた。
この模様は8月29日(土)のラジオ関西「神戸リゾートクルーズ」(毎週土曜日午後5時30分~)で放送する。
(文:天宮遥)