ちなみに、原田さんは「この上郡には地元ヒーローが2名もいるんです」と地元の名士の名をあげ、『上郡愛』を語る。「一人は、室町幕府を興すのに功績のあったとされる『赤松円心』、もう一人は幕末から明治期に活躍した『大鳥圭介』です」。
原田さんが今、イチオシだという「大鳥圭介公」は、江戸時代末期の天保三年(1832)に現在の上郡岩木石戸地区に医者の長男として誕生。漢学者を目指し岡山藩の閑谷学校で5年間学んだが、父の希望もあって赤穂の西洋医のもとで、2年間修業をした。これが元となり、大阪の適塾、後に大木塾、江川塾で学びかつ教えながらついには江戸にて幕臣旗本となった秀才だ。戊辰戦争では旧幕府軍についたが新政府軍に敗れ、2年半入牢、死罪を免れた。出牢後は、語学力(英蘭仏語)を生かし、日本の殖産興業に尽力、同時に後に日本のためになる人材を育成。明治維新政府に多大なる貢献を果たし、当時にしては長寿の部類になる79歳の生涯を閉じた。(参考:上郡町ホームページ)
「赤松氏も有名だが、大鳥公も我々上郡の誇りであり、絶対的ヒーロー。県内外からも一度上郡を訪ねていただきたい。またお土産に上郡産モロヘイヤ入りの『大鳥圭介黄金せんべい』もありますよ!」とPRした、原田さん。余談ではあるが大鳥圭介公の実家の下から金が採れたという逸話からの商品名とのこと。
原田さんが営む呉服商という仕事は、赤ちゃんが生まれる前の腹帯、生まれた後の産着、七五三の着物、晴れ着、花嫁衣裳と地元に根差すからこそ何代も続いてお客様の人生の節目に関わることができる。上郡駅前の喫茶店「ヨット」の沖さん(現在は他界)にかわいがられていたそうで、受けた言葉を最後に結んだ。
「上郡は米(コメ)やぞ」
この想いが今回の3商店会合同事業の世話人として、上郡を愛する心で原田さんを動かしている。
(文:黒川良彦)
【兵庫県商店街感染症対策支援事業】
兵庫県では、商店連合会と連携し、商店街が行う新生活様式への対応(ひょうごスタイル)に併せた感染症対策を支援。2020(令和2)年9月30日(水)まで
■事業対象者
商店街・小売市場の団体、商店街連合会
※任意の商店街団体も含む
■取組内容:
1.感染症拡大防止事業
(商店街が実施する共有スペース等の感染症対策)
2.クリーン商店街発信事業
(感染症対策に取り組む商店街のPRや来街者への啓発)
■補助の対象となる経費
1.感染症拡大防止事業
サーモカメラ、換気扇の設置、空気清浄器(空気清浄機付きエアコン)、アルコール自動噴射機、紫外線照射モジュール、クリアパーテイションの購入、等
2.クリーン商店街発信事業(PR経費)
啓発資材の作成(タペストリー、のぼり、ちらし等、HPの更新等)
■実施期間
2020(令和2)年4月7日(火)(緊急事態宣言後)~9月30日(水)
■申請期間
2020(令和2)年6月22日(月)~9月30日(水)
■定額補助
商店街・小売市場:上限100万円、下限10万円
商店街連合会:上限200万円、下限10万円
兵庫県商店連合会 ホームページ
http://hyogo-omise.com/