「『若い人は芸術に関心がない』というのは先入観」柳美里さんが訴える、地方における「場づくり」の必要性 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「『若い人は芸術に関心がない』というのは先入観」柳美里さんが訴える、地方における「場づくり」の必要性

LINEで送る

この記事の写真を見る(3枚)

 劇作家・演出家の平田オリザさんのラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西)に、作家の柳美里さんが登場。移住した福島県での話や、豊岡演劇祭に訪れたときのエピソードから、文化の大切さを語った。

柳さん
作家の柳美里さん(写真:ラジオ関西)

 2018年に福島県南相馬市小高区で本屋「フルハウス」をオープンした、柳さん。その後、地元の方々との交流から25年間休眠していた劇団「青春五月党」も復活させた。拠点を地方に置くことで見えてきたことも多いという。

 本屋開店にあたり、入荷したい本をリストアップしたところ、出版取次(出版社と書店をつなぐ流通業者)から、「柳さん、田舎ではこんな本は売れませんよ。データで出ているんです」とアドバイスされたという。しかし、実際には「『生死』を切実に考える本ほど売れている」「一番売れている本は鷲田(清一)さん」だったとのこと。

 また、9月に訪れた豊岡演劇祭で、柳さんは偶然若いカップルの会話を耳にし、感銘を受けたという。「(平田)オリザさんのオペラの話、熱心にしてるんですよ。男の子が『青年団に入りたい』って」。これには平田さんも顔をほころばせ「(芸術の話題が)そこかしこに普通に会話としておこる町になればいい」と応じた。

平田オリザさん(写真:ラジオ関西)
平田オリザさん(写真:ラジオ関西)

 柳さんは「病より怖いのは孤独、孤絶」であり「孤独は薬で癒せない」からこそ「いろんな人が混じる、流れる、交わり、そこから生まれる場所が地方こそ必要」と、誰もが触れられるところに文化の拠点を置く意義を語った。

作家の柳美里さん(右)をゲストに迎えての収録風景(写真:ラジオ関西)
平田オリザさん(写真中央)の番組にゲスト出演した作家の柳美里さん(写真右)。左は平田さんとともにパーソナリティーを務める田名部真理さん(写真:ラジオ関西)

※次週は演劇を通して地元の方と交流する姿をお届けする。

『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理

LINEで送る

平田オリザの舞台は但馬 | ラジオ関西 | 2020/10/22/木 13:00-13:25

放送後1週間聴取可能、エリア内無料 radikoプレミアム会員はエリア外聴取可

関連記事