「豊岡で暮らし始めて」平田オリザのまちごよみ(第1回) | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「豊岡で暮らし始めて」平田オリザのまちごよみ(第1回)

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 国内外で幅広く活躍し続ける、劇作家・演出家の平田オリザさん。2019年から兵庫県豊岡市へ移住し、生活を送られています。その平田さんが但馬・豊岡の地で日々過ごしながら、感じたことを赤裸々に語るコラム、「平田オリザのまちごよみ」。第1回のテーマは、「豊岡で暮らし始めて」です。

平田オリザのまちごよみ

 56年間、生まれ育った東京を離れ、兵庫県豊岡市に引っ越してきて、ちょうど1年になります。

 ご近所の方からよく、「田舎暮らしで不便はないですか?」と気にかけていただきます。しかし、私の暮らす豊岡市日高町江原は、特急の停まるJR江原駅まで歩いて4分、高速道路のインターチェンジまで車で5分、コウノトリ但馬空港まで車で10分という素晴らしく交通の便のいいところにあります。

 駅前には、自然食をふんだんに扱う地元資本の大きなスーパーがあり、ホームセンターなども、歩いて行ける距離に点在しています。私は55歳になって初めて子宝に恵まれたのですが、うちの子どもが通う保育園も、いずれ通わせてもらう予定の小学校も、どちらも家から目と鼻の距離にあり、「どこが不便なの?」と逆に問いかける毎日です。

豊岡市日高町江原
豊岡・江原の町並み

 一方で、車を15分も走らせれば神鍋高原の素敵な温泉やスキー場があり、逆方向に20分で出石そばが食べられます。

 もちろん、少し足を伸ばせば城崎温泉、そして竹野の極上の海もあります。但東まで行けば(夏は)カブトムシも取り放題です。

 もともと(城崎郡だったときの)旧日高町は「但馬の十字路」と呼ばれ産業の要衝として栄えた町でした。グンゼや神戸製鋼の工場のあった頃は、商店街には200の店舗があったそうです。今は残念ながら、個人営業の店舗は20ほどになってしまいましたが、新しく開業した劇場を中心に、かつてのにぎわいを少しでも取り戻すことが私の使命だと思っています。

 ご近所に、イタリアンのお店もあります。和食の店、ハンバーグのおいしい店、素敵なカフェ、それぞれ何軒かずつしかないのですが、毎日外食をするわけではないので、お気に入りの店はそれぞれ1軒か2軒あればいいと思うのです。

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