動物である以上、物音に驚いたり、山中なら他の動物の「獣(けもの)臭」に違和感を覚えてその場を離れてしまう可能性もあるが、こと警察犬に限ればこうしたことは当てはまらず、指導員や捜査員が「待て」の合図をすれば理解できるという。クレバもそれだけの訓練は積んでいた。
兵庫県警は、どうしてクレバが捜査員が持つリードを振り切って現場から離れたのか不明としているが、捜索活動のために厳しい訓練を経た警察犬だけに国費が賄われて登録されており、簡単には民間に払い下げ=「クビ」にはできない。警察官なら業務中の無断の職場離脱として厳しい処分が待っている。警察犬だからといって許されることではないが、今後、兵庫県警は動物としての犬の特性を理解し、再発防止を図るため、クレバをしっかりと再訓練(最低3か月とされる)して復帰させる可能性はあるという。