神戸国際会館から東へ約5分。趣のあるビルの3階に、知る人ぞ知る“癒しのカフェ”がある。皆に知ってもらいたいような、誰にも教えたくないような、そこに居るだけで心が落ち着く空間だ。
ミントブルーの壁が印象的で、北欧のような色調が心地よい。天井が高く開放感ある店内、窓からはひんやりとした澄んだ風が流れ込んでくる。この空間だけ、ゆったりと時間が流れていくようだ。
そのカフェは、「CAFE Zoe'(カフェ・ゾエ)」と名付けられた。ラテン語で“Zoe”は「魂」「生きること」を意味する。決してあの日を忘れない……という、誓いのような想いが込められている。
「あの日」それは、1月17日の阪神・淡路大震災。高台に住んでいたオーナーの荒井厚子さんは、その時の景色を鮮明に覚えているという。音もなく真っ暗な中で炎が上がっていく様子は、まさに地獄だった。
ふつうの日々をふつうに過ごせること、それこそが幸せなのである。愛する神戸の街で、誰もがその幸せを感じながら、お茶を飲んだり食事をしたり、日常の何気ない喜びを分かち合う場所にしたいと、11年前の1月17日、「CAFE Zoe'」をオープンした。
約12年、スタイルを変えながらカフェを続けるなかで、理想のようにはいかないこともあった。新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言発令中は、お店をやる意味や、これからどうしていくかについて悩む時間も増えたという。
「それでも、最近やっと理想に近づいてきた気がしています」と荒井さんは明るく微笑む。
「CAFE Zoe'」のこれからについて尋ねると、「来てくれているお客さんを急かすことなく、みんながゆっくりと心休まる空間にしたい。何回もいらっしゃる方と顔なじみになって、帰り際に少しお話するような時間が、本当にうれしい瞬間です」と話してくれた。
「CAFE Zoe'」
神戸市中央区御幸通6-1-3 山田ビル3階
営業時間 平日12:00~17:00
定休日 土・日・祝
Instagram https://www.instagram.com/cafe_zoe/
※情報は2020年10月28日現在のものです。最新の情報は、直接お店にご確認ください。
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