暴力団組員であることを隠し、新型コロナウイルスの影響で減収した世帯を対象にした貸付金をだまし取ったとして、兵庫県警・灘警察署は2日までに、詐欺容疑で、西宮市居住の自称・不動産コンサルティング業で特定抗争指定暴力団「六代目山口組」系組員の男(70)を逮捕、送検した。
男は2020年4月24日以降、暴力団員であることを隠して、新型コロナの影響で休業したように装い、兵庫県社会福祉協議会が貸し付ける「緊急小口資金」と「総合支援資金」を申し込み、5月~10月までの間、7回にわたって計95万円を自身の口座に振り込ませた疑いが持たれている。 兵庫県警は男の認否を明らかにしていない。
これらの資金は新型コロナウイルス感染拡大を受けて行われ、いずれも無利子で貸し付けるもの。暴力団関係者は対象外とされているが、審査する社会福祉協議会がスピーディーな給付を優先しているため、各地で不正詐取が急増し、申請内容の確認の不十分さが指摘されている。男は社会福祉協議会の窓口を自分で訪れて面談を受けていたという。