「令和」と「昭和」の価値観の違いが面白い!声優が語る昭和歌謡の世界 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「令和」と「昭和」の価値観の違いが面白い!声優が語る昭和歌謡の世界

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「昭和」が旧元号となってから「平成」「令和」と続き、なつかしさを感じる人もいれば、その時代を知らない人も多くなってきているが「昭和歌謡」と聞けば、その時代の歌手名や名曲が思い浮かぶ人は多いのではないだろうか。

「今の時代の女性と男性の立ち位置と、この昭和の女性と男性の立ち位置の差が、結構、昭和歌謡の歌詞の中ででかくて……。今って、わりと男女が対等、もしくは女性の方がちょっと上、『私がまもる』とか強い曲が多いなか、この頃の昭和の女性って、待ったりとか、自分から手を放していって身を引いていくような、そういう女性が多い。そして男が身勝手なことが多い、大変に多い!!」

『昭和歌謡=感情の物語・感情が見える、時代(男女)の移り変わりがわかる』と昭和歌謡の魅力に切り込んだのは、ラジオ関西の番組『大地・みなみのカレーチャーハン』でパーソナリティーを務める、声優の大地葉。

 数ある曲の中から大地が選んだのは、山口百恵の「絶体絶命」だ。

「歌詞を見てほしい。【別れて欲しいの 彼と そんな事は出来ないわ 愛しているのよ 彼を それは私も同じ事】 ここにすでに、ふたりいるんです。女ふたりが戦っている。『どういうことなの!?』ってところから始まるんですよ」

 と、女性目線での曲を解説。歌っている主人公の立場から見た遅れてきた男についてや、相手の女性の立場に触れ、終盤の男の“ある一言”に別れを決心するシーンでは「【すっかりカタはついたわ やってられないわ】って言って、女の方から帰っちゃうの。だけど、心の中では、【その人の涙の深さに負けたの】と、敗北感を味わっている。本当は好きだったんだよ、好きだったのに相手の女の方がものすごく“女”だったから。自分が身を引いてあげなければ、この女もダメになってしまうと思ったわけだ。だからその人の涙の深さに私はかなわないわと思って、【bye bye bye bye やってられないわ】なんですよ。またこの振り付けもいい! 未練を感じるんだよね、未練を背中に! 最高! まじで物語なんですよ!」とたっぷりと最後まで曲の魅力を紹介。
(※以上、山口百恵「絶体絶命」より一部引用)

 また、沢田研二の「カサブランカ・ダンディ」も例に挙げ、「初っぱなからね、【ききわけのない女の頬を ひとつふたつ はりたおして 背中を向けて 煙草をすえば それで何もいうことはない】……もうどんな男!? こんなアダルティーな表現あるか!?」と興奮しながら話す、大地。続けて2番からの、【しゃべり過ぎる女の口を さめたキスでふさぎながら 背中のジッパー つまんでおろす 他に何もすることはない】からラストまでの歌詞に触れ、「こんなにセクシー、オトナすぎる、キザすぎる、キザでいたかった男の歌。男のやせがまんが粋に見えた時代がある……いいね、最高の歌です。やばいでしょ? たぶん今の時代じゃ、これを歌にすることすら、ちょっと許されないと思うんだ。だって女の人のこと、ものすごい扱いしてるじゃん。ききわけのない女の頬をひとつふたつはりたおしちゃうんだよ?! 『なんだと思ってるんだ、女のことを』っていう……昭和ってほんとにこういうのがいっぱいあるんですよ。純愛の歌もあるし、うまくいかなくなった別れの歌とかもあるし、ほんと深いので、みんなお願い! 聞いて!」と男性目線の曲についての魅力も語った。
(※以上、沢田研二「カサブランカ・ダンディ」より一部引用)

 最後に「この時代の人が憧れていた“粋”っていうのも、今の時代の人が憧れるとか、なんとなく思う“粋”とは違うじゃん。価値観の相違というのが大変おもしろい! もう何度もブームを起こそうじゃないか! 皆さんもぜひ昭和歌謡を聞いてください!」と締めくくった。

 なつかしいだけではない、昭和歌謡の魅力。時代毎の価値観の違いを楽しみつつ、改めて昭和歌謡に触れてみてはいかがだろうか。


※ラジオ関西『大地・みなみのカレーチャーハン』2020年8月15日放送回より

『大地・みなみのカレーチャーハン』番組ホームページ
http://anitama.com/cc/


『大地・みなみのカレーチャーハン』

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