本格的な冬の訪れを前に、神戸市灘区の六甲山にある六甲高山植物園の「小便小僧」に、3日、温かいマントが着せられた。
小便小僧は、彫刻家の榎本健次郎さんが、1962年に息子をモデルに制作したもので、今では植物園のアイドル的存在となっている。冬でも寒くないようにとマントを着せたのがきっかけで、以来この時期にマントが着せられるようになった。
今年は、神戸芸術工科大学の本部芽依さんのデザインが選ばれた。今年のテーマとなった高山植物は「コマクサ」で、マントは艶のあるピンク色、胸のあたりには濃い色のハートマークがあしらわれている。本部さんは「コマクサは高山植物の女王と言われ、ハートに似ている。小便小僧は男の子なので王様のような品格のあるデザインにした」と話した。
例年は大勢の人が見守るなかでマントをまとう小便小僧だが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、静かに冬支度を終えた。
六甲高山植物園では、10月中旬から木々が色づき始め、カエデ類やツツジ類は赤や黄色に染まり見ごろを迎えている。六甲高山植物園の今年の営業は11月23日まで。