「ネギマッチョ」といっても体型の話ではなく、この秋に登場した白ネギのこと。兵庫・豊岡の若手新規就農者5人が「ネギ人生産組合」を立ち上げ、新しいブランド野菜「タジマネギマッチョ」として初出荷した。
兵庫県北部の但馬地方は、夏は暑く、冬は積雪がある地域。「特に冬はビニールハウスなどの施設がないと収穫できる作物がないため、若手農家はアルバイトで生計をたてざるを得ないのが現状」と組合の小川恭弘さんは農業の厳しさを語る。
そのなかで、彼らが注目したのが、白ネギ。白ネギは年間を通した作付け体系がある程度あり、種まきから出荷調整までを機械でできるなどのメリットがある。また、何より冬の路地野菜として栽培・収穫できると判断。こうして「ネギ人」としての挑戦が始まった。
結果は、思いのほか早かった。昨年から試験的に生産した白ネギを今年2月の商談会に出展したところ、評判がよく、手応えを感じた。栽培、品質管理、営業など、苦労することは山のようにあったが、「ネギ人」はブランディングにも力を注ぐことを忘れなかった。ただネギを作るのではなく、どんなネギを、どんな思いで、誰に届けたいか……など、いろいろな角度から突き詰めた。その結果、「ネギマッチョ」というストーリーを築き上げた。
おいしいのは大前提。甘味が強く、柔らかな品種にしぼり、独自の栽培方法を磨き上げた。そして太さ3cm以上、中には4cmもある「ネギマッチョ」を作ることに成功したのだった。
「ネギマッチョ」は一般的なネギと同じように料理に使えるが、インパクトのある外見を活かさないのはもったいない。まずは豪快に1本丸ごと焼いて食べるのがオススメだそうだ。味付けは一切いらない。あふれる汁に気をつけ、極太ネギの甘みを口いっぱいに堪能。その他、これからの季節にピッタリのお鍋でトロトロの甘さに舌鼓を打ったり、天ぷらでいただくのもありだ。
「ファーマーズマーケットたじまんま」などの但馬にある直売所や、小川さんが経営する「Veggie de +(ベジー デ プラス)」で11月下旬ごろから販売予定。価格は2本入りで250円ほど。
「ネギ人生産組合」は、生産者をさらに増やし、但馬をネギマッチョの産地へと拡大していく野望を抱いているほか、さらに太いネギマッチョキングを地元限定で販売し、地域活性にも力を入れていく考えだ。
■「ネギ人生産組合」Facebook
■「ネギ人生産組合」Instagram
■「Veggie de +(ベジー デ プラス)」
問い合わせ 電話080-5344-5652
■「ファーマーズマーケットたじまんま」