機械ではない、醪(もろみ)を取る方法を採用することによって、機械式以上の奥深い味と香りの日本酒の仕上がりになる。現在は機械式と伝統的な方法を融合させ、より良いオリジナルの日本酒の作り方を追求している。杜氏の須川陽司さんは「機械なら1日で搾れるものを3日間じっくり時間をかけるので、柔らかい味わいが特長。今年の秋口は少し気温が高かったぶん、醪(もろみ)で米が溶けるような感じだったが、そこは我々の腕で例年と同じ味わいになった。どのような気温でも技を駆使して仕上がりを一定にするのが杜氏の仕事。今年も旨みと甘みがあり、後味もまろやか」と満足気に話した。
「旨い酒が出来るなら、ひと手間ふた手間は惜しまない」と田中社長。新酒搾りはこれから本番を迎え、広畑の酒蔵に真新しい杉玉が掛かる。石掛式天秤搾りは21日まで。