サッカー・J1のヴィッセル神戸応援番組『GOGO!ヴィッセル神戸』(ラジオ関西、パーソナリティー:宮川陽香)11月30日の放送では、12月4日のACL(AFCチャンピオンズリーグ)でヴィッセルが対戦する相手、水原三星(韓国)について、サッカージャーナリストの河治良幸さんに、試合のポイントを聞いた。
Jリーグから日本代表、そして海外リーグと幅広く取材を行っているサッカージャーナリストの河治さんは、まずは広州恒大戦を振り返り「国内で勝てていなかったので、心機一転でいきなり勝って決められたのはチームにもサポーターにも本当に大きかった」とコメント。「1試合目(11/25、〇3-1)からタフな試合だったが、オウンゴールで追いつかれたところから粘り強い守備で耐えて、FWドウグラス選手の勝ち越しゴールなどもあり、素晴らしい戦いぶりだった。ACLでの(チームの)タフさというのが上がった」と、決勝トーナメント(ラウンド16)進出を決めた試合を評価した。
一方、2試合目(11/28、●0-2)については「(先発メンバーが)ターンオーバーで臨んだが、チームにフィットしてきていた広州恒大FWリカルド・グラル選手に加え、MFアンデルソン・タリスカ選手やFWエウケソン選手といった前線陣に鋭さがあり、(試合の)中盤までは難しい戦いだった。ただ、相手の得点もPKとフリーキックなので、そこはうまく切り替えたいところ。また、MFアンドレス・イニエスタ選手、FW古橋亨梧選手、ドウグラス選手、藤本憲明選手が投入されてから、ギアが入り、勢いがあったので、ゴールは決まらなかったが次回につながったのでは」と、今後に期待をかけた。
12月4日(金)にグループリーグの最終節で対戦する水原三星については「広州恒大ほど個で押し切る力はないが、柏レイソルでプレー経験のあるパク・コナ監督をはじめ、元サガン鳥栖のMFキム・ミヌ選手やチェ・ソングン選手、元清水エスパルスのMFイ・キジェ選手なども所属し、ACLの外国のチームの中ではすごくJリーグに近いチームなので、(ヴィッセルは)違和感なくやれるのではないか」とのこと。ただし、「攻撃も守備も、すごくボール周りの密度が高いというか、ボールに関わってくる人数が多い。シンプルにパスをつなぐのがうまく、サイドチェンジも多用してくるので、その揺さぶりには要注意」と警戒。ヴィッセルとしては、番組があげた注目選手、サイドバックで起用されているルーキーDF山川哲史選手らの奮闘もポイントになるだろう。
水原三星のウィークポイントとしては「相手のサイドを起点とした攻撃への対応」という河治さん。「サイドに一度起点を作ってから、もう一度中央にリターンで入れてくる時に、ディフェンスラインが下がるので、中盤と最終ラインの間にスペースができる。そこでうまくワンツーとかスルーパスとかミドルシュートとか使えると十分ゴールを狙っていける」と分析。ヴィッセルのDF酒井高徳選手、西大伍選手など、サイドプレーヤーがキーになると話した。さらに、河治さんは、「藤本選手にゴールを決めてほしい。彼が決めると、ムードメーカーなので、本人もチームも乗ってくると思う」と、お祭り男の奮起を願った。
12月1日に行われた同じグループGの広州恒大と水原三星の一戦が1-1の引き分けとなったことで、ヴィッセルはグループリーグの1位突破が確定。今年はセントラル開催となり、7日以降の決勝トーナメントも中2日の過密日程で進むため、4日の水原三星戦については今後の試合スケジュールを意識したメンバーになると予想される。11月28日の広州恒大戦でも、出場した若手がACL経験を積めたのは貴重なこと。アジア王者を目指すにあたって、今後もメンバーをフル活用したチームの総力が問われるだけに、一戦一戦を大事に戦いたい。グループリーグ最終戦、水原三星との試合のキックオフは、日本時間の4日午後10時。