阪神高速道路・神戸線で2018年、無免許でドイツ製高級車「ポルシェ」を時速約216キロで運転し、死亡事故を起こしたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)などの罪に問われた芦屋市の男性医師(52)について、最高裁第2小法廷が11月27日付で上告を棄却した。懲役8年の実刑判決が確定する。
一・二審判決によると、2018年11月25日正午すぎ、尼崎市内の阪神高速道路・神戸線でカーブを制御困難な速度で暴走してトラックに追突、運転していた男性(当時70)を死亡させたとされる。
2020年1月の一審・神戸地裁の裁判員裁判判決は、「時速216キロものスピードで右カーブに進入し、車体が横滑りして制御できなくなった」として危険運転致死罪が成立すると認定。弁護側の「カーナビ操作による脇見運転が原因だ」との主張を退けた。
また高級車「BMW」に追い抜かれ、速度を上げて追い掛けたとして「制限速度の3.5倍を超え、交通法規を守ろうとする意識が欠如している」と指摘、監視カメラの映像やトラックの運行記録計などから「曲がれる限界の速度を超え、制御を失った」とした。そのうえで「スピード違反で免許を取り消されたのにポルシェを購入し、任意保険に加入せず常習的に運転していたのは無責任だ」とした。二審・大阪高裁もこの判決理由を支持していた。