《未解決事件に対する公的懸賞金「捜査特別報奨金」制度》
未解決事件の情報を広く受けるために、国内で最初に懸賞金をかけて情報を求めたのは1989年11月4日発生の坂本堤弁護士一家殺害事件。この時は全国の弁護士の有志が支援団体を結成し、総額2000万円で情報提供を呼びかけた。これまでにも遺族や支援団体が賄う私的懸賞金は存在した。
公的懸賞金としての「捜査特別報奨金」制度は2007年に警察庁が創設した。事件解決に結びつく有力な情報の提供者に、検挙への度合いに応じて原則300万円を上限に報奨金を支払う。情報提供者が複数いる場合は、上限額の範囲内で貢献度に応じて分割される。ただし、情報を犯罪行為を通じて得た場合などは支払われず、情報提供者が匿名・警察関係者・容疑者本人や共犯者などの場合も対象外となる。
■「捜査特別報奨金」制度の対象は、神戸市北区・男子高校生殺害事件のほか(発生年月順に)
▽東京都八王子市のスーパー「ナンペイ大和田店」で1995年7月、女子高生ら3人が射殺された強盗殺人事件
▽東京都世田谷区で2000年12月、一家4人が殺害された事件
▽大阪府熊取町で2003年5月、当時小学4年の吉川友梨さん(現在26)が行方不明になった事件
▽京都市左京区の路上で2007年、京都精華大1年の千葉大作さん(当時20)が刺殺された事件 などがある。