新型コロナウイルスの影響で、26回目にして初めて中止となった「神戸ルミナリエ」に代わるイベントが、神戸・三宮の東遊園地(神戸市中央区)などで開催されている。兵庫県や神戸市でつくる組織委員会が主催し、日が暮れる前の午後4時30分頃から午後9時まで点灯。会場内の混み具合によっては早めに消灯することもあるという。13日まで。
■イベント規模、例年に比べ大きく縮小
「神戸ルミナリエ」は、1995年に発生した阪神・淡路大震災で犠牲となった人の鎮魂や、神戸の復興・再生の象徴として、同年12月に初めて開催。以来、神戸の冬の風物詩として定着しており、25回目だった2019年は10日で約350万人が来場した。例年、元町から三宮方面に向けて装飾される「光の回廊」などは設けない。東遊園地には高さ11メートル、直径7.6メートルの光の聖堂「カッサ・アルモニカ」が設置され、常設のガス灯「1・17希望の灯り」の周りを、高さ4.7メートル、幅2.8メートルの「希望のアーチ」が包みこむ。
■新作「希望のアーチ」は昨年のディレクター・プロデューサーらが制作
この「希望のアーチ」は、1998年からルミナリエに関わり、2011年と2015~2019年にはディレクター兼プロデューサーを務めたイタリアの照明デザイナー・ダニエル・モンテベルデ氏(69)が寄贈した。モンテベルデ氏は中止の知らせを受け、「神戸のために何かしたい」と、地元イタリアの工房と協議・制作。5色のLED電球を約6,800個を使い、上部には神戸市章でハートを形作った。こうした特徴ある作品について、ダニエル氏は「私たちイタリア人から神戸の皆さんへの、尽きることのない尊敬と愛のシンボルだ」と説明した。