そうですね、扇治郎くん(藤山扇治郎)と泉姉さん(泉しずか)が漫才コンビで、舞台上ではすごい仲が良いんだけど、普段は仲が悪いと(いう設定)。その2人の親を、私と文童さん(曽我廼家文童)が演じます。ところがこの親同士が、実は熱愛をしてるという。駆け落ちするくらいの恋仲だっていうことを、なかなか子どもたちに言えなくて、そのなかでドタバタする。それぞれの人間関係、恋模様が織り成される、ラブコメディみたいなもんですね。
――松竹新喜劇は、人の心の機微に触れつつ、ややこしい人間関係を描くイメージがありますが……。
そうですよね。人情話でもあるんですが、そこはもう笑いで、ややこしいけど上手いこと運んでいって、最後はハッピーエンドになるみたいなね。そういう「笑って、考えさせられて、グッときて、それでまた笑って」っていうホッコリした、ホッとするような楽しい気分になって帰れるようなお芝居が、松竹新喜劇です。まさにそれが楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。
◆大先輩と、初の“恋仲”を演じる
――曽我廼家文童さんと、お芝居をするのは久しぶりですか?
同じ演目で、同じ舞台に立たせていただいたことは何回もあるんですが、タッグを組むというか、ましてや恋仲のコンビをするっていうのは初めてです。私は文童兄さんが本当に大好きで、お芝居の立ち振る舞いや、笑いに対するセンスだとかもう大尊敬してますし、「本当に気持ちの良いお芝居しはるなぁ!」って、いつもいつも感動していたので。その大先輩のお胸を借りて、イチャイチャしたろと思ってます(笑)。
――文童さんなら、何でも“受ける”でしょうね。
ホンマにそうなんですよ! 私が松竹新喜劇で初めて出させていただいたとき、ド緊張しているなか、寛太郎兄さん(曽我廼家 寛太郎)と夫婦役だったんです。そこに上司の文童兄さんが来られるわけですが、なんやかんや揉めて、寛太郎兄さんと夫婦喧嘩したときに私がボーンと突かれるんです。その稽古中、私はもう思い切って、文童兄さんの股間にガーン!と顔埋めたんですよ。で、どんな反応されんのかなって思ったらね、普通に私の顔持ち上げて「えらい元気な嫁はんでんなぁ」って言わはったんです(笑)。もうね、私それに感動して。普通「何すんねん!」とか「どないしたん!」とか、あるいは「ちょっとそこはやりすぎやで」とか「君、松竹わかってんの?」とか……。そう言われたらどないしようかとか思いながら、賭けやったんですが、それを笑いに変えてくれはったんですね。それ以来「わあ~、懐デカいし何でもおもしろがってくれる、すごい人やなぁ」と思っていますので。もう今度も……イチャイチャしたろと思ってます!
――その化学反応がまた起こるのか、楽しみですね。
おもしろいです! お兄さんがどういうふうな形で演じはるのか、私も勉強させてもらいながら、ついて行かせていただくんですけども。せっかく恋人同士でやるわけですから、やっぱり文童兄さんの素敵な魅力と、私の持っているものが上手く融合できて、化学反応が起きればええなって思ってます、ホンマに。
■久本雅美(ワハハ本舗ホームページより)
■松竹新喜劇 公式サイト
■【南座】初笑い!松竹新喜劇 新春お年玉公演
<開催日時>
2021年1月1日(金)〜1月7日(木)
・1~3日 13:00開演【Aプロ】、16:00開演【Bプロ】
・4~7日 11:00開演【Aプロ】、15:00開演【Bプロ】
<演目>
Aプロ:『二階の奥さん』『新春ご挨拶』
Bプロ:『鴨八ネギ次郎』『新春ご挨拶』
<料金>
一等席 6,000円 / 二等席 3,000円 / 三等席 2,000円