恒例「干支の引継ぎ式」初の中止 通天閣「来年こそはウッシッシと笑える1年に」コロナ感染拡大、安全面配慮

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 大阪・新世界の通天閣(大阪市浪速区)は、年末の恒例行事として 12月28日に予定していた「干支(えと)の引き継ぎ式」を中止する。1956(昭和31)年に始まって以来、初の中止となる。 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、観客や関係者の安全面を考慮した。

通天閣は2020年12月31日まで医療従事者へエール「青」のライトアップ
通天閣は2020年12月31日まで医療従事者へエール「青」のライトアップ

 「干支の引継ぎ式」は、その年と翌年の干支にちなんだ動物が実際にステージで対面して世相を踏まえたダジャレの口上が披露され、観客の笑いを誘う年の瀬の風物詩。

2019年の「干支の引継ぎ式」
昨年の「干支の引継ぎ式」(2019年12月28日)イノシシと、ネズミの仲間では「世界最大級」のカピバラが登場

 通天閣は2020年、緊急事態宣言が発令された4~5月に休業したが、この間、賞味期限間近で廃棄されそうな全国各地のお土産を受け入れて割引価格で販売したり、 シンボル的存在の幸福の神様「ビリケンさん」の背中のひび割れを京都の仏師・松久靖朋さんが修繕。また大阪府独自の警戒基準の到達レベルを周知するためのライトアップにも無償で協力。SNSでは「ライトアップに勇気づけられた」「通天閣ありがとう」という感謝の声が数多く寄せられた。

通天閣では休業中、全国の土産物を割引販売した(2020年5月)
通天閣では休業中、全国の土産物を割引販売した(2020年5月)
通天閣 ビリケン設置
松久宗琳佛所(京都市中京区)によるビリケン像の修復が完了(2020年5月29日)

 しかしお膝元の新世界ではインバウンド(訪日外国人観光客)の姿はなくなり、度重なる営業時間短縮が影響して飲食店の売り上げは激減、通天閣とセットでフォトスポットとなったフグの大提灯でおなじみ「づぼらや」が、創業100年にして閉店した。

づぼらや(閉店前)新世界 ※緊急事態宣言発令中
緊急事態宣言発令中の新世界 「づぼらや」もひっそりと閉店した(手前フグの看板は9月に撤去)
「大阪モデル」基準設定当初は安全を示す緑の点灯が続いていた

 運営する通天閣観光・高井隆光社長はラジオ関西の取材に対し「今年の通天閣は新型コロナとの戦いのなか、緑・黄・赤・青と色々なライトアップで皆さんにメッセージを送り続けてきました。こうしたなか年末に苦渋の決断をしなくてはならないのが辛いです」と話し、来年の干支・丑年(うし)にかけて「来年こそはモ~cowる(儲かる=も~かる)1年に。ウッシッシと笑えることを祈っています」とダジャレ口上の一節を披露した。

2020年、世界を震撼させた新型コロナ でも「明けない夜はない」
2020年、世界を震撼させた新型コロナ でも「明けない夜はない」
通天閣 ビリケン&高井社長
高井隆光社長「2020年、数々のライトアップは皆さんへのエールも込めて」

「GoTo トラベル」が年末・年始はストップし、さらなる外出自粛が叫ばれるなか、大阪・関西に住んでいるのに、通天閣へはいつでも登れるからと言われるものの、いまだに登ったことがない人も多いという。大阪府内在住の大人(高校生以上)限定で入場料金が半額になるキャンペーンが12月19日から実施されている(~2021年1月11日 ※チケットカウンターで運転免許証など大阪府内在住を証明できるものを提示)。
 特別屋外展望台「天望パラダイス」やトップデッキ屋上「通天閣庭苑」なども半額対象。料金は通常800円が400円、特別屋外展望台セット料金1300円が700円に。

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