政府は7日にも東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象に緊急事態宣言の発令を決める見通しだが、近畿2府4県と鳥取県、徳島県の知事や政令市の市長で作る関西広域連合(※)は5日、対策本部会議を開き、感染状況を踏まえ「ただちに緊急事態宣言を求める状況ではない」との認識で一致した。
※関西広域連合の構成自治体ー兵庫県、大阪府、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県、鳥取県、徳島県、神戸市、大阪市、京都市、堺市(8府県・域内4政令市)
5日は、広域連合として「緊急行動宣言」を取りまとめた。緊急事態宣言の発令要請については、今後の感染者の状況をにらみ兵庫・大阪・京都の3府県が協議して決める方針を表明した。兵庫県の井戸敏三知事はこの要請のタイミングについて、「総合的な判断になるだろうが、重症病床の使用率が3府県とも50%を超えるような状況になれば相談する」とした。兵庫県の重症病床の使用率は5日時点で約42%。
広域連合は、域内の住民に対し、感染が拡大している首都圏1都3県への不要不急の往来を控えるよう呼びかける。また、成人式などの行事の前後は会食を控えることなどを求めるが、神戸市などは感染防止対策をとった上で開催する方針を変えていない。
連合長を務める和歌山県の仁坂吉伸知事は、飲食店への営業時間短縮の要請について「それぞれの地域に任せる」とし、足並みを揃えなかった。大阪府の吉村洋文知事は、「関西が団結してこの危機を乗り越えたい」と述べた。吉村知事は4日、「大阪では感染の急拡大はなんとか抑えられている。今の段階で要請するつもりはない」との姿勢を示している。ただし大阪市全域の一部飲食店に11日まで出している午後9時までの営業時間短縮や休業の要請を延長するかどうかについては、8日に府の対策本部会議を開いて判断する。
広域連合はこのほか、事業者への罰則規定を盛り込むことが検討されている新型コロナ特別措置法改正案に関し、通常国会の冒頭で審議し早期成立を目指すよう求めた。