2021年開幕予定の日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」に参入する、女子サッカーのINAC神戸レオネッサは、13日、DF鮫島彩選手、MF仲田歩夢選手、GKスタンボー華選手が、同じWEリーグの大宮アルディージャVENTUSへ完全移籍すると発表した。
栃木県出身の鮫島選手は、2011年のFIFA女子ワールドカップ優勝に貢献するなど、長らくなでしこジャパン(日本女子代表)で活躍を続けるサイドバック。2015年から加入したINAC神戸では、2度の皇后杯制覇、2度のなでしこリーグベストイレブン選出を経験した。
クラブを通じて約900字にわたる長文メッセージを残した鮫島選手。「INAC神戸ファミリー全員でリーグ優勝のカップを掲げて喜ぶ姿を夢見てきましたが、この想いは一度も叶えることができず、クラブのタイトル獲得に全く貢献することができなかったことに自分の無力さを痛切に感じています」と述べつつ、「自身のサッカー人生で初となる皇后杯優勝を2度も経験できたりと、INAC神戸では今までに見たことのない多くの素晴らしい景色を見させていただきました」と感謝の思いを吐露。「これからは女子サッカー界をINAC神戸と共に盛り上げていけるように、大宮の地から私なりに精一杯努めていきたいと思います!」と前を向いた。
山梨県出身の仲田選手は、常盤木学園高校を経て2012年から約9シーズンにわたってINAC神戸でプレー。その左足から繰り出される強烈なシュートや的確なパスなど、攻撃的なポジションで活躍。また、その美貌や親しまれるキャラクターでも話題を集め、INAC神戸の『顔』ともいえる選手だった。
「高校卒業から9年間お世話になり、私を育ててくれたクラブには感謝の気持ちでいっぱいです。もちろん寂しさもあり、色々な思いが交差しますが、もう一度チャレンジする気持ちで自ら移籍を決意しました」とクラブを通じて、こちらも長文でメッセージを寄せた、仲田選手。「新天地でも神戸での経験を糧に、選手としても1人の人間としても成長していきたいです。また試合会場でお会いできるのを楽しみにしています。9年間ありがとうございました」と謝意を述べていた。
東京都出身のスタンボー選手は、JFAアカデミー福島時代の2016年に特別指定選手としてINAC神戸の門をたたき、翌17年からレオネッサで本格的にトップカテゴリーのキャリアをスタート。しばらくは研鑽の日々が続くも、昨年、ゲルト・エンゲルス監督により抜擢され、なでしこリーグ1部で全18試合に出場。若き注目株として期待の高い守護神であり、その明るいキャラクターでもチームを盛り上げた。
「強化選手時代も含め、この5年間で本当にたくさんの事を学ばせていただきました。ここまで成長できたのはこの神戸でのたくさんの応援と支えがあったからだと思います。本当に幸せでした。これからも私らしく明るく元気に突っ走っていきます!たくさんの応援ありがとうございました」と、スタンボー選手はクラブを通じてコメントを発表している。
このほか、すでにINAC神戸を退団し、新天地へ移籍することを発表しているのは、FW岩渕真奈選手(アストン・ヴィラ・ウィメン/イングランド)、FW増矢理花選手、FW島袋奈美恵選手(以上、サンフレッチェ広島女子チーム)、MF八坂芽依選手(AC長野パルセイロ・レディース)、MF川澄奈穂美選手(スカイ・ブルーFC/アメリカ)、MF吉田凪沙選手(ニッパツ横浜FCシーガルズ)。なお、GK田尻有美選手は2020シーズンをもって現役を引退、INAC神戸レオネッサU-15コーチに就任。
一方、同日、INAC神戸は2021-2022シーズンの契約更新選手も発表。FW田中美南選手、MF中島依美選手、MF杉田妃和選手、MF伊藤美紀選手といった、なでしこジャパンに名を連ねる面々をはじめ、FW髙瀬愛実選手、FW京川舞選手、FWファン・アヒョン選手、MF阪口萌乃選手、MF西川彩華選手、MF水野蕗奈選手、MF菊池まりあ選手、DF三宅史織選手、DF守屋都弥選手、DF牛島理子選手、DF長江伊吹選手、GK武仲麗依選手が、クラブと契約をかわしている(2021年1月13日午後4時30分現在)。また、昨年末にはジェフユナイテッド市原・千葉レディースよりMF成宮唯選手、日ノ本学園高校よりDF竹重杏歌理選手の新加入と、INAC神戸レオンチーナよりMF川上然選手のトップチーム昇格を発表している。