通信制高校の新しいカタチ 遠隔地からのスクーリング負担を軽減へ | ラジトピ ラジオ関西トピックス

通信制高校の新しいカタチ 遠隔地からのスクーリング負担を軽減へ

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 何らかの理由で「高校進学・卒業」ができなかった人たちに「高校卒業」の学歴が認められる通信制高校の制度が発足して長い年月が経つ。

『通信制高校』とは、通信教育(家庭学習とスクーリング)で学習する高校。通常の高校(全日制・定時制)と同様に高校卒業の資格を得ることができる。最も大きな違いは、毎日通学しなくても留年がなく、指定された単位を取得することで卒業できること。近年、海外留学やスポーツなどに時間を使いたいといった高校生も多く、多様化する学習環境のなか、増えていく不登校問題にも柔軟な学習環境を提供できる重要な教育の場として注目されている。

 しかし、通信制とはいうものの、多くの既存校では、「スクーリング」という、必ず本校に“通学(合宿)”して対面授業を受講しなければならないルールがある。なかには生徒の居住地からの遠隔地もあり、時間的・経費的に大きな負担になっているという。

 そのなかで、通信制高校にも、柔軟な対応ができるところが出てきている。山口県に本校をおく学校法人山口松陰学院松陰高等学校では、全国各地に学習センター(19都府県40教室)を備え、そこでのスクーリング授業が単位として認められるという。

 2020年10月、九州に初開校した学習センターの1つ、福岡天神校は、西鉄・福岡市営地下鉄「天神」駅から徒歩5分圏内にあり、働きながらの通学には非常に便利な立地。また、実際のカリキュラムは様々な形を選ぶことができる。

松陰高校の学習センター(福岡天神校)が入っているビル
松陰高校の学習センター(福岡天神校)が入っているビル

 家庭学習の時間を多くし、来校日数を調整しながら学習を進める「スタンダードコース」。スポーツや海外研修などに多くの時間を使いながらも学習を進める「カルチャーコース」。志望校の受験に必要のない教科を選択することなく、受験に特化した学習を進める「進学(大学・短大・専門学校)コース」などが選択できる。同校では、これまで進学塾・家庭教師紹介など35年以上の教育実績をもとにした学習プランや受験に対するノウハウを生かし、一人ひとりに合った学習プランでサポートするとのこと。

 福岡天神校の立ち上げ・運営・管理を担当する一般社団法人学術の森の代表理事、中村信二さんは「様々な理由で高校に進学できなかった、しなかった人も、『想い』ひとつでそこまで行ける。その機会を作りたい。教育は受ける側も教える側も、人間形成に絶対に必要なこと。遅いも早いもなく、まずはとにかくスタートラインに立ってほしい」と語った。

(文:黒川良彦)


◆学校法人山口松陰学園松陰高等学校
https://sho-in.ed.jp/

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