スクリーンに映し出される場面はとてもリアルで、現実の映像をみているようです。殺された人質の遺体の前でダニエルが鞭打たれ、苦痛と絶望から自殺を図るところは非常にむごいシーンですが、リアルさゆえ、目を背けられません。
人質と犯人側の間に入って救出交渉をする専門家の動きも詳しく描かれています。解放される人質と殺される人質との違いが何なのか、この映画で分かります。オレンジ色の服を着せられた意味を理解できます。映画『ある人質 生還までの398日』は、内戦中のシリアで行われていたことを本格的に描いていて、観る価値の大きな作品です。(SJ)
◇映画『ある人質 生還までの398日』
キャスト:
ダニエル・リュー / エスベン・スメド
ジェームズ・フォーリー / トビー・ケベル
アートゥア / アナス・W・ベアテルセン
ダニエルの姉アニタ / ソフィー・トルプ
監督:ニールス・アルデン・オプレヴ
共同監督:アナス・W・ベアテルセン
脚本:アナス・トマス・イェンセン
原作:「ISの人質 13カ月の拘束、そして生還」(光文社新書)
著:プク・ダムスゴー 訳:山田美明
配給:ハピネット
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