毎週日曜午前8時からのラジオ番組『ラピスモーニング』(ラジオ関西)で、神戸大倉山・楠寺瑠璃光苑の住職、「ラピス和尚」さんの楽しい仏教うんちくを届けています。日頃なにげなく使っている言葉が、思いもよらない“ふか~い”意味を持っているもの。そんな感動をラジトピで連載していきます。2月21日放送回の辻説法は「啐啄同時」(そったくどうじ)です。
まず、見慣れない言葉「啐啄」とは何でしょうか? 「啐」の意味はいくつかありますが、なかには「さけぶ」があり、なんと、卵の内側からひなが声を出して、「殻から出たい!」と告げるという意味があります。
「啄」には「ついばむ、たたく」という意味があり、親鳥が殻をつついて、ひなが出るのを助けることを意味します。
中から「外に出たい!」という声がしても、親鳥が出かけていたりすると声をキャッチすることができず、ひなどりは自分で殻を破れないかもしれません。そして「ひなどりを外に出そう」と思っても、時期が早すぎれば、ひなどりはうまく育たないかもしれません。これは、親鳥とひなどりのタイミングがぴったり一致したときに生まれる奇跡です!
もうおわかりでしょう。「啐啄同時」とは、何かをするのに絶妙な機会をあらわす言葉です。
人生は奇跡の連続で、1秒先は予測できません。あなたはなんとも思っていなくても、まわりの人との絶妙なタイミングで成り立っているのです。まわりの人に感謝すると同時に、これからどんな素敵なタイミングがやってくるのか、楽しみにしたいものです。
※みなさまの知りたい禅語もぜひお寄せください!
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