選手に寄り添う解説の極意は「現役時代の失敗を忘れないこと」 “ミスタータイガース”掛布雅之さんが語る

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 プロ野球・阪神タイガースの伝説の4番打者で、「ミスタータイガース」として親しまれた掛布雅之さん(HANSHIN LEGEND TELLER)が、神戸のラジオ局、ラジオ関西の番組に初出演。野球解説者や指導者としての自身の心がけについて、エピソードを交えながら語った。

ラジオ関西に初出演した掛布雅之さん(右)、後方が田中大貴さん、左が林歳彦さん(写真:ラジオ関西)
ラジオ関西に初出演した掛布雅之さん(右)、後方が田中大貴さん、左が林歳彦さん(写真:ラジオ関西)

 ラジオ関西『としちゃん・大貴の ええやんカー!やってみよう!!』に出演した掛布さん。番組パーソナリティーを務める田中大貴さん(元フジテレビアナウンサー)から「掛布さんは解説されているとき、一切マイナスなことを仰らない」という話しを受けて、その要因を次のように語った。

「現役のとき、僕も数多く失敗をしてきました。ただ、野球から離れて、ネット裏で見るようになると、自分の失敗を忘れてしまうんですよね。ネット裏から見る野球は、100パーセントに近い確率で『打てるんじゃないか』とか、落ち着いてピッチャーの(投球の)読み(を把握したり)だとか、状況判断ができるんです。でも、バッターボックスに入ると、3割の成功しかないんですよね。解説者になると、7割の失敗を忘れてしまいますね。それも成功したんじゃないかと勘違いしてしまう。それだけは絶対にしちゃダメだと、自分に言い聞かせています」(掛布さん)

 解説者時代だけでなく、指導者として選手に接するときも、その姿勢を貫いた掛布さん。阪神の2軍監督を務めた際には、当時、2軍で調整していた西岡剛選手からの言葉は、今でも忘れられないという。

「『掛布さんは選手の失敗を受け止めてくれる。数多い失敗を経験しているから、その失敗を受け入れてくれる、そういう気持ちを感じるので、若い選手は楽だと思います』と西岡から言われて、それはすごいうれしかったですね」

 番組パーソナリティーで経営者の林歳彦さんが、「掛布さんのチームビルディング術、雰囲気作りは、企業や学校など、すべてに通じるのでは」と話すと、掛布さんは、選手がプレーする動機付けを具体例に、持論を展開。

「選手に野球というスポーツをうまくなってもらうためには、準備をしなきゃいけないですよね。きつい練習になってしまいますが、それを、やらせなきゃいけない。これは共通の目的。ただ、やらせるのか、選手が(自主的に)やるようになるのかの違いなんです」

 掛布さんは指導する際、「僕は、やらない選手はクビを切る(戦力外にする)」と、自主性のない選手はきっぱり突き放すそう。「(2軍監督当時)ベテランの狩野(恵輔)とかは、『掛布さんは怖い』と言います。やらなければ切るので、『笑いながら切りますよね』と(笑)。僕は、やりなさいということを言う選手も当然いますし、言わなくてもやる選手もいますし、そういう選手の性格をいかに感じて、いろいろな言葉でうまくおだててやらせるかということですね。結局やらせているんですが」と、選手を乗せる極意も明かしていた。

(文:黒川良彦)

※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2021年2月19日放送回より


※掛布さんがゲスト出演の『としちゃん・大貴の ええやんカー!やってみよう!!』後編の模様は、2月26日(金)午後8時30分から、ラジオ関西で放送される。



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