阪神甲子園球場(西宮市)を舞台に3月19日に開幕する第93回選抜高校野球大会。その開会式は、全校が参加する方式をとらないことが、すでに決まっている。主催する日本高等学校野球連盟と毎日新聞社は、2月23日にオンラインで組み合わせ抽選会を行った。その後の会見で、兵庫の神戸国際大学附属高校など、大会初日に登場する6校が開会式で入場行進する方針を明かしているが、関係者は「まだ検討の余地がある」と、参加校が増減する可能性を示唆している。
入場行進曲には、2大会続けてFoorin(フーリン)の『パプリカ』が選ばれている。中止となった昨年の第92回大会でも同じ曲が選ばれているが、日本高野連は「前回と同じ曲を採用することで、すべての高校野球ファンに向けて(高校野球が)帰ってきた、復活した、というメッセージを伝えたい」との思いを込めた。なお、例年は兵庫県警察本部の警察音楽隊による生演奏のもとで選手らが行進するが、今年は生演奏をとりやめる。
『パプリカ』は、シンガーソングライターの米津玄師さんが作詞・作曲をしたヒット曲。新たに編曲しなおしたのは、第81回大会から編曲を担当する、作曲家の酒井格(さかい・いたる)さん。「高校球児にとって、春の選抜は非常に大切な大会なので花を添えられるように。そして、40人で15種類の楽器を使い演奏する吹奏楽も、野球と同じく一種のチームプレー。吹奏楽の魅力が最大限生かされるように編曲した」という。前回が4分の4拍子だったのに対し、今回は「ミッキーマウス・マーチ」などに使われる8分の6拍子に変更、より軽やかな印象に仕上がった。曲はプロの吹奏楽団「オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ」によって2月上旬に収録済み。収録されたCDは出場校に贈られるなど活用される。
兵庫県の井戸敏三知事はセンバツ開幕に先立ち、政府によるイベントの人数制限に注文をつけている。宣言解除後の約1か月間は観客1万人が上限とされているが、「ドーム型(の屋内球場)とオープン型(の屋内球場)は違う」と、屋外イベントの上限は会場定員の50パーセントとし、1万人以上の観客を集めることができるよう求めている。