平田オリザさんが大事にするのは「場づくり」 演劇的手法を用いたコミュニケーション授業の魅力 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

平田オリザさんが大事にするのは「場づくり」 演劇的手法を用いたコミュニケーション授業の魅力

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 青山学院大学と大阪大学の共同事業として2009年から開講された「ワークショップデザイナー育成プログラム」、通称WSD(現在は青山学院大学のみ実施)。開発者の一人である劇作家・演出家の平田オリザさんが、その受講生でもあるタレント・ラジオパーソナリティーの塩田えみさんとともに、自身のラジオ番組で演劇的手法を用いたコミュニケーション授業について語った。

写真左から田名部真理さん、塩田えみさん、平田オリザさん(※撮影時にマスクを外していただきました)
写真左から田名部真理さん、塩田えみさん、平田オリザさん(※撮影時にマスクを外していただきました)

 関西を中心に数多くのラジオ番組を担当する塩田さん。母校の武庫川女子大学でコミュニケーションの授業を持つことになったとき、仕事で交流のあった俳優の内藤裕敬さん(劇作家・演出家、劇団「南河内万歳一座」座長)に相談。そこで「オリジナルの授業を作らなあかんよ。平田オリザさんが(当時)大阪大学で社会人講座をしているから行ってみたら」と助言を受けたことをきっかけに、WSDに参加した。

 WSDでは、コミュニケーションを基盤とした参加体験型活動プログラム(ワークショップ)の企画運営を専門として行う「場づくりの専門家」を養成している。

 もともと平田さんが主宰する「青年団」の公演を好んで観ていた塩田さんは、わくわくしながら授業を受講。当時の講義ノートをめくりながら、その様子を回顧する。

「『例えば電車のボックス席に知り合い同士のAさん、Bさんがいて、そこにCさんが入ってくる。他人であるCさんに【ご旅行ですか?】と話しかける』というワークショップなんですが、この一言が難しいの!」

塩田えみさん
塩田えみさん

 平田さんはWSDで行う講義について、意図を解説する。「コミュニケーションの授業というと話し方教室になりがちだが、『場づくり』が実は大事。演出家は常にそういうことを考えているので、それを理論化し、伝えるのが僕のワークショップ手法」。

 WSDで学んだことはあらゆる場面で生きている、と塩田さんは語る。

「私は場づくりにおいて『陽』の方に引っ張っていきがちになるが、そうでない人もいることに留意する必要に気づかされた。また、『人はそれぞれの役割を演じている』という平田さんの言葉にも救われた。本当の自分を模索しなくちゃという思い込みから解放されて、生活の中で『演じること』に罪悪感を持たなくなった。そして今でも同期のみんなとは仲良し。同じ『心得』を持っているので、職種は違えど心地よい」。演劇的手法を用いたコミュニケーション授業の魅力と同志の貴重さを今でも思い返すという。


※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。

『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp

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平田オリザの舞台は但馬 | ラジオ関西 | 2021/03/04/木 13:00-13:25

放送後1週間聴取可能、エリア内無料 radikoプレミアム会員はエリア外聴取可

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