平田オリザさんの私塾「無隣館」 江原河畔劇場で修了公演 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

平田オリザさんの私塾「無隣館」 江原河畔劇場で修了公演

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 豊岡市に移住した劇作家・平田オリザさんの私塾「無隣館」の塾生たちが、3月3日(水)から8日(月)まで、豊岡市の「江原河畔劇場」で修了公演「カガクするココロ」を上演している。

江原河畔劇場(豊岡市日高町))
江原河畔劇場(豊岡市日高町))

「無隣館」は、2013年に平田さんが当時本拠としていた東京の「こまばアゴラ劇場」で設立。「アウェーで闘える真に自立した演劇人の育成」を掲げて2年ごとに塾生を募り、2018年までに数多くの演劇人を輩出した。2019年に平田さんが豊岡市に移住し、昨年「江原河畔劇場」が開館したのを機に第4期生を募集。全国から集まった塾生は、2回の合宿を経て絞り込まれ、最終的に残った35人が劇団「青年団」の俳優・スタッフとともに修了公演に臨んでいる。塾生で俳優の松浦みるさんは早稲田大学の学生。5歳で演劇に出会い、「演劇をやるなら東京しかない」と福岡から上京したが、「地方でもこんな素晴らしい環境でやりたい演劇ができるのは素敵なこと」と話す。

 同じく俳優の比屋根秀斗さんは沖縄県出身。「地域づくり・街づくりと舞台芸術を融合できないか」という思いを抱いて慶応大学の総合政策学部に進み、卒業後は石垣島で子どもたちに演劇を教えていたが、さらなるスキルアップを求めて無隣館の門を叩いたという。塾生には制作スタッフもいる。制作補佐を務める鈴木南音さんは千葉県出身。高校時代、誘われるままに演劇部に入ったのが演劇との出会いだったが、「これまで出会ったことのない人の、自分とは違う部分、分からない部分も含めて人と出会える」という演劇の魅力にはまったとか。

左から松浦さん・比屋根さん・鈴木さん
左から松浦さん・比屋根さん・鈴木さん

 演目は、男女雇用均等法成立直後の1990年に初演された平田さんの初期の代表作「カガクするココロ」。大学の研究室を舞台とした、男女の学生たちの群像劇だ。「人類の未来を動かすようなプロジェクトにかかわっている人間が、実にくだらない悩みを抱えていたり、前時代的な価値観に引きずられていたり、そんなギャップには、時代や性別を超えて共感してもらえると思う」と松浦さん。

「カガクするココロ」(撮影:三浦雨林)
「カガクするココロ」(撮影:三浦雨林)

 期間中には、平田さんが教授を務める四国学院大学の学生と青年団員でも同じ演目を上演する。公演チケットは一般2000円で高校生以下は無料。問い合わせは江原河畔劇場(電話0796-42-1155、午後0時~午後4時)まで。(FMジャングル)

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