舞台芸術配信 視聴者の9割が『本物が見たくなった』との例も 模索する芸術活動の現場 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

舞台芸術配信 視聴者の9割が『本物が見たくなった』との例も 模索する芸術活動の現場

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 劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティーを務めるラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西)に、神戸を拠点に活動するミュージカル劇団「劇団Compass」主宰の横田裕久さんが出演。劇場の灯りを消さないために模索した1年を振り返った。

写真右から、平田オリザさん、「劇団Compass」主宰の横田裕久さん、田名部真理さん(写真:ラジオ関西)※撮影時にマスクを外していただきました
写真右から、平田オリザさん、「劇団Compass」主宰の横田裕久さん、田名部真理さん(写真:ラジオ関西)※撮影時にマスクを外していただきました

「劇団Compass」は2018年に発足。普段は仕事を持っているメンバーが、一人ひとり自分らしく表現活動を発信していこうと、「Spotlight one's identity」というコンセプトを掲げ、公演以外にもワークショップを開催するなど活動の場を広げている。

 そんな劇団Compassにとっても2020年は受難の年だった。「昨年の今頃はまだ状況がわからず、上演の判断が難しかった。昨年3月に予定していた公演は、応援してくださる方のためにも中止にしました」(横田さん)。その公演「オリジナルミュージカル『ねずみはライオンになれない』」は、平田さんも協力する『"#SaveArts"プロジェクト』の支援を得て、何とか持ちこたえたという。

「劇団Compass」主宰の横田裕久さん(写真:ラジオ関西)
「劇団Compass」主宰の横田裕久さん(写真:ラジオ関西)

「稽古を復活させてもマスクだと歌唱シーンで自身の声量を確認できない。ダンスを踊れば息が上がる。とにかく可能な形を日々刷新しながら模索しています」と横田さんが語ると、平田さんも「この1年、客席からクラスターは出ていないので観劇は大丈夫だが、俳優は大変。座組によっては高齢者もいるし、ご家族の事情もありますからね」とステージでの悩みを共有した。

 ただし、劇団Compassには、希望もある。今年に入ってようやく上演にこぎつけた作品には、観客からのあたたかいメッセージがあふれた。「批評的なアンケート回答ではなく、作品を読み込んでくれているというか。そこは意外でした。試みで行った配信も好評でした」(横田さん)。

 そんな横田さんの言葉を受け、平田さんは舞台芸術の配信で成功しているニューヨークのメトロポリタンオペラの例をあげ、配信の効果について説いた。

「(メトロポリタンオペラで)アンケートをとったところ、9割の方が『本物を観たくなった』と回答したそうです。私たちは配信とかテレビで放送しちゃうと『本物を見に来なくなるんじゃないか』と思っていたが、そうではないということはわかってきている」

 一方で平田さんは、「ただし、クオリティの高いきちんとした映像を流さないと、集客にはつながらないということも(同時に)わかってきた」と今後の課題を述べたうえで、「ノーマルに再開できることが前提ですが、そこまでどうやって生き延びるかです」と、引き続き官民による支援の必要性を訴えた。


※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。

『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp

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平田オリザの舞台は但馬 | ラジオ関西 | 2021/03/11/木 13:00-13:25

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