「(キャンプで修正した)あのバッティングをみたとき、『この選手は100試合以上使ってあげなければいけない選手だな』と。あれだけの修正能力があるのならば、たぶんゲームのなかで、自分で成長していけるだろう。いろんなものを吸収して、将来的には、30~40本、甲子園球場でも打てる左バッターになる可能性は大いにある」。掛布さんはそう太鼓判を押す。
「僕的には、大山(悠輔)とどうしてもかぶるところはあるが、どちらがファーストでもサードでもいいが、巨人の『ON』のように、阪神を引っ張ってくれる柱がサイドからできれば、強い阪神になるんじゃないかなと思います」と、今季からキャプテンを務める大山選手とともに、二枚看板としてチームを引っ張ってほしいと、理想を語った。
「僕の理想は7番。黙って100試合以上使う。そうすれば、確実に20本くらいホームランは打つでしょう。ヤクルトの村上(宗隆)くんも我慢強く使われ続けたことで、三振も多かったとはいえ、2019年には30本以上ホームラン(36本)を打った。そのように我慢強く使い続けてほしい。佐藤は、1+1が2ではなく、5にも6にもなる力を持った選手。チームががらっと変わる可能性がある」と、掛布さんは長い目でみて育てることが、彼の成長だけでなく、阪神の躍進につながると述べていた。
3月26日のヤクルトスワローズとの開幕戦では、6番ライトで早速スターティングメンバーに名を連ねた、佐藤選手。ノーアウト1・3塁でまわってきた第1打席ではライナー性のレフトフライに終わるも、犠打になり、プロ初打点、今季の阪神最初の得点をたたき出した。今後未来のミスター・タイガース候補が、ペナントレースでどのような活躍を見せてくれるのか。背番号8の一打に、今から楽しみが膨らむ。
(文:黒川良彦)
※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2021年2月26日放送回をもとに再構成した記事です。