人口1300人あまりの山村の取り組みに着目「森、林業にしっかり目を向けることが、環境を守ることにつながる」

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 お天気キャスターとして活躍する気象予報士・防災士の正木明さんは、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組『正木明の地球にいいこと』(ラジオ関西)で、林業に関するある取り組みをはじめた小さな村の話を通じて、森の管理や林業の重要性を語った。

「森をしっかり管理して健全な状態を維持するのは、海にもいい影響を与える。森がしっかりしていたら、森から出てくる水が、川をつたって海に流れてくる。栄養たっぷりで、海が自然豊か、自然が育まれる。実は自然は全部つながっている」という、正木さん。番組では、森を管理して有効利用する林業について、森林組合所属の事業者数がこの40年で3分の1以下に減少してしまっているデータなどを通じて、衰退の一途をたどっていることを懸念する。

 そのなかで番組では、森や水を守る取り組みを行っている小さな村、長野県の一番南にある根羽村について紹介した。

 森林が村の面積の92パーセントで、ほとんどが森林という根羽村は、村長が森林組合長を兼務。人口は1300人ほど(2015年現在、1369人 根羽村ホームページより)だが、村の全世帯が“山を持っている”ため、村の全員が森林組合員だという。

 その根羽村では、村民と行政が一致団結して豊かな森林と暮らしを守るべく奮闘。今までチャレンジしたことのない手法で経済的・環境的にも持続可能な林業モデルの確立を目指している。その一環として、3月にはSDGsポータルサイト「NEVER FOREST 根羽村」をオープン。矢作川の源流に位置する水源の村として、豊かな森林を守ろうという取り組みを積極的に行っている。

 根羽村は林業に携わるということについて、次のように捉えているという。「杉、ヒノキを育てて生産林として使うのも、それはそれで林業としてあるべき姿ですが、そればかりではなく、森に滞在すること、森で過ごすこと、リラックスすること、遊ぶこと、学ぶこと、この森の様々な活用方法が生まれることによって、人々と森林と経済とこれらが共栄できるあり方を作っていきたい」。

 SDGsポータルサイトで紹介している具体的な取り組みとしては、杉の木から織物を作る「“木の布”プロジェクト」や、山の中で牛が365日、自然と共生する酪農を実現させている「山地酪農」、自然に入って学びを得るエコツーリズム(森林ESD)などを実施。さらに、古民家を改修して一棟貸しの宿として2019年より村外の人が村暮らしを体験できる拠点とするなど、現代のネット社会に合った空き家の活用などの推進にも挑んでいる。

「このまま森を放っておくと、もう立ち行かなくなってしまうが、今なら間に合います! だからいろいろ取り組んで、どんどん実現させていきましょう」とYouTubeなどを通じて呼びかけていた根羽村・大久保憲一村長の思いも、正木さんは番組で紹介していた。根羽村の林業に携わる人たちは、自分たちのことを「山の民」と誇りを持って名乗り、今後も森の魅力を発信していくという。

 最後に正木さんは「忘れてはいけないのは、都会に暮らしている僕たちは、おいしい水を飲みたいし、おいしい食べ物を食べたいし、木造住宅に住んで、木をいろんなところに使っている。だから森、林業にしっかり目を向けておくということは環境を守るということにつながるのではないか」と、森や林業の大切さを提言していた。


※ラジオ関西『正木明の地球にいいこと』2021年3月29日放送回より

◆『正木明の地球にいいこと』ホームページ

【NEVER FOREST - いまだかつてない森 根羽村】

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