城崎温泉・温泉寺所蔵の「縁起帳」など 豊岡市指定文化財に | ラジトピ ラジオ関西トピックス

城崎温泉・温泉寺所蔵の「縁起帳」など 豊岡市指定文化財に

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 兵庫県豊岡市城崎町湯島の温泉寺が所蔵する古文書や絵画、仏像など6点が豊岡市指定文化財に登録された。

(写真① 豊岡市文化振興課・小寺誠主幹から「指定書」を受け取る 温泉寺・小川祐章住職)
豊岡市文化振興課・小寺誠主幹から「指定書」を受け取る 温泉寺・小川祐章住職

 昨年、城崎温泉が開湯1300年を迎えるのを記念して、温泉寺が豊岡市教育委員会とともに文化財調査を進めていた。

 温泉寺は、城崎温泉の開祖・道智上人が創建した「温泉守護の寺」として知られる。大正14(1925)年の北但大震災で温泉街の大部分が被災し、多くの文化財も消失した折にも、山上にある温泉寺だけはこの火災から免れた。このことから、温泉寺所蔵の文化財は旧城崎町域の歴史を解明するうえで欠かせない存在となっている。古来湯治場として栄えた城崎温泉の歴史や繁栄の様子を象徴する資料として、温泉寺所蔵の文化財は城崎温泉も重要な意義を持つという。

(写真② 温泉寺)
温泉寺

 今回新たに豊岡市指定文化財に登録された6点のうち「木造大日如来坐像」は温泉寺境内にある多宝塔の本尊としてまつられている。平安時代前期の仏像は全国的にも少なく、現在知られるもののなかでは、但馬で最古の大日如来像だという。また「温泉寺縁起帳」は城崎温泉にかかわる説話を、まとまった形で記した最古の資料。「万人講衆縁起」とともに16世紀に記されたものだ。このほか、室町時代に描かれた「絹本著色 尊勝曼荼羅画像」「絹本著色 尊勝曼荼羅画像」「絹本墨画淡彩 不動明王画像」の3点の絵画が登録された。

(写真③ 「木造大日如来坐像」)
「木造大日如来坐像」

(写真④ 「温泉寺縁起帳」)
「温泉寺縁起帳」
(写真⑤)

「木造大日如来坐像」は原則非公開だが、残る5点については「温泉寺宝物館」で公開されている。

 なお、温泉寺本堂では現在、本尊・十一面観音立像が公開されている。33年ごとに公開される秘仏で、本来はこの4月までの公開の予定だったが、「コロナ禍平癒祈願」のため10月末まで公開を延長。延長期間中に1300枚(1日7枚まで)の「疫病除けのお札」を授けるという。(FMジャングル)


◆温泉寺
兵庫県豊岡市城崎町湯島985-2
電話 0796-32-2669
拝観料 本堂+宝物館:400円
【公式HP】

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