豊岡で屋台を見かけたらお医者さんかも… 「人を孤立させない」若き医師の試み | ラジトピ ラジオ関西トピックス

豊岡で屋台を見かけたらお医者さんかも… 「人を孤立させない」若き医師の試み

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「だいかい文庫」 ※写真提供:(一社)ケアと暮らしの編集社
「だいかい文庫」 ※写真提供:(一社)ケアと暮らしの編集社

「今は医療が医療単独で行われる時代ではなくなってきている。予防医学もそうだし、何より人間を孤立させないということが重要」。守本さんの活動状況を聞いた平田さんがそう述べると、守本さんも次のように医療を通じた孤立の解消を訴える。

「(人の健康は)生活習慣病が影響しているといわれるが、その前に、『健康の社会的要因』―例えば孤独であったり貧困であったりが、健康寿命に影響しているという論文が出始めていて、『孤独』はタバコ15本分に相当する死亡率というデータもある。『孤立をさせない』ために、病院だと介護保険や通いの場など(の要因を通じて)市のサービスになっちゃうんですが、屋台の場合はそれこそ『豊岡劇場面白いですよ』『演劇見に行ってみたらどうですか』などインフォーマールなつながりやコミュニティを紹介できるというところ(メリット)がある。それこそ孤独の解消につなげられるのではと思っている」(守本さん)

 また、「アメリカでは予防医学にダンスや演劇が普通に取り入れられている。おもしろいところだとカリフォルニア州では10回ダンスとか演劇の講座を受けて、その間に体重が5kg減ったら州が費用を全額負担、アーティストに賃金が支払われるんですよ。認知症の場合は歌って踊って、いっぺんにいろいろやるのがいい、というデータも出ている」と、平田さんは海外での事例をあげれば、「これまで医者が切る処方箋は薬だったり手術だったり画一的だったものが、エビデンスもそろってきていることによって、アートだったり地域のまちづくりも『ケア』の一つとしてとらえらえ始めてきています」と、守本さんもアートや文化を通じたケアの重要性を唱えていた。

 ゆるいコミュニティがつむぐ「豊岡」に、これからも注目だ。

医師の守本陽一さん(写真奥)
医師の守本陽一さん(写真奥)

【「だいかい文庫」】

※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。

『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp

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平田オリザの舞台は但馬 | ラジオ関西 | 2021/04/29/木 13:00-13:25

放送後1週間聴取可能、エリア内無料 radikoプレミアム会員はエリア外聴取可

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