宝塚歌劇団OGの寿ひずるが、4月26日に放送されたラジオ番組『ビバ!タカラジェンヌ』(ラジオ関西)で、今年1月に亡くなった峰さを理との思い出を語った。
昨年、寿と峰、高汐巴の同期3人で開催するはずだったディナーショーがコロナの影響で延期に。寿は「今年の5月と7月にやるはずだったけれど、ひとり、欠けてしまった……」と切り出すと、峰から亡くなる前日にディナーショーに出られないと連絡があったことを明かした。
「演出をお願いしていた三木(章雄)先生とも話し合い、一度は(高汐と)2人でやろうとなったけれど、夜なかじゅう考えて、どうしても気持ちが前向きにならず、中止にしようと決めた。お昼過ぎに『峰ちゃんがいなかったら成り立たないから中止にしたと伝えてね』と(峰の)お付きの方に連絡を入れたが、その日の夜9時過ぎに『さっき息を引き取りました』と電話があった。あまりに突然だったので声も出なかった……」。寿は、訃報を受けたときの様子を涙ながらに振り返った。
「昨年の1月に東京のイイノホールで偶然に3人一緒にやって(『Carnaval de amor ~熱愛のカルナバル~ラテン音楽大全集』で共演)、『同期3人が(長く)頑張っているのは珍しいし、(また)3人でやりたいよね』というのが、一致した思いだった。コロナのことは関係なく、もしかしたら峰ちゃんは(当時から)しんどかったのかもしれないが、昨年だったら、3人でなんとかできたのかもしれない……」。そんな思いにもかられたという寿だが、「三木先生と高汐とも、『峰ちゃんをしのんで、いつか2人で(ショーを)やれたらいいね』と話している。また落ち着いたらやらせていただきたい」と、気丈に前を向いた。
「峰ちゃんは、自分にも人にも厳しい面があった。だから、3人でのショー(実現)ということも、ずっと気にかかっていたと思う……」、そう気にかけた番組パーソナリティーの小山乃里子は、「(峰の)病気を知らなかったから、第一報を聞いて驚いた」と衝撃を受けたという。
それでも、小山は、寿と峰、高汐の3人の思い出話に話題を転換。「現役時代、番組に出てくれたとき、3人とも『私たち、出来が悪かったんだよね』と言ってくれたよね」と話を振ると、寿も当時を回想して笑みを取り戻す。「音楽学校時代、バレエができない男役たちが補習でバレエ教室の端から端まで飛ぶ振り付けをさせられて、そのとき先生に“サバの大群みたい”と言われた」と、“サバの大群”エピソードを語った。
「このまま峰ちゃんの思い出話を続けると、泣きそうになるから……」(小山)と、峰をしのんで、番組では寿が歌う「彷徨(さすらい)のレクイエム」がオンエアされた。
現在は、現役タカラジェンヌへの指導や舞台活動を行っている、寿。6月、7月には『寺田瀧雄没後20年メモリアルコンサート』への出演が予定されている。
ラジオ関西『ビバ!タカラジェンヌ』
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