キャンパスに残る戦争の記憶 AR(拡張現実)で学ぼう 関西学院 高等部生が「KG PEACE MAP」制作 スタンプラリー形式で巡る | ラジトピ ラジオ関西トピックス

キャンパスに残る戦争の記憶 AR(拡張現実)で学ぼう 関西学院 高等部生が「KG PEACE MAP」制作 スタンプラリー形式で巡る 

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 兵庫県西宮市の関西学院で、高等部の生徒たちがキャンパス内に残る戦争遺跡などをスタンプラリー形式で巡りながら学ぶことができる「KG PEACE MAP」を制作した。スマートフォンに専用アプリをダウンロードし、地図に示されたスポットでカメラをかざすと、スタンプと同時に、その場所にまつわる戦争の歴史を紹介するコンテンツを取得できる。

キャンパスの戦争遺跡が学べる「KG PEACE MAP」

 制作したのは、関西学院高等部の西室雅央教諭のもとで「平和」をテーマに学習している3年生11人。現場に自ら足を運び、具体的なコトやモノに触れるなかで思索を深める教育プログラムの一環で、日ごろ見慣れたキャンパスの中にも、戦争の悲惨なエピソードや戦跡があることを調べながら学んだ。

 マップは、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前の世界を仮想的に拡張するAR(Augmented Reality)と呼ばれる技術を利用。専用アプリをダウンロードし、キャンパス内のスポットでスマートフォンのカメラをかざすと、かつての風景写真や解説動画などを取得できる。現地に行かなくても、地図上にカメラを向けると同様に説明等をみることができる。

 例えば関西学院のシンボルの時計台。かつて空襲の標的とならないように真っ黒に塗られていた時代があり、時計台にスマートフォンのカメラをかざすと、黒塗りの時計台の写真を見ることができる。また、時計台に掲げられたエンブレムのスクールモットーが、敵国語であるという理由で破壊された悲話も動画で紹介している。

 このほかキャンパスが海軍予備学生の育成のために貸与された頃に、指令室や秘密文書庫としてつくられた地下壕や、かつて学院内にあった海軍航空隊神風神社が遷座された上ヶ原八幡神社、日ロ戦争に参加した関西出身の従軍兵の名が刻まれた石碑など戦跡13か所と、関西学院を象徴する場所7か所を加えた20か所を紹介している。

 地図は、正門前をスタート地点に、8か所をめぐる約1時間コースと、16か所を約1時間40分で巡るコースの二つがある。西室教諭は、「美しいキャンパスで知られる関西学院だが、戦争遺跡やエピソードについてはあまり知られていない。このマップで少しでもSDGsにも関わる平和に関心をもってもらえれば」と話している。

 操作方法とコースが記された地図は希望者にも配布している。問い合わせは関西学院広報室0798・54・6017まで。

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