アフリカ繊維×京染色が新たな価値を生み出す 京友禅伝統染職人と元銀行員の挑戦 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

アフリカ繊維×京染色が新たな価値を生み出す 京友禅伝統染職人と元銀行員の挑戦

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 フリーアナウンサーの田中大貴が、林歳彦氏とともにパーソナリティーを務めるラジオ番組『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』。その2021年5月3日放送回では、ゲストとして、京友禅伝統染職人のアート・ユニ代表の西田清さん、株式会社AFURIKA DOGS代表・中須俊治さんが登場。トーゴ繊維×京染めという新たな挑戦について語った。

京友禅伝統染職人のアート・ユニ代表の西田清さん(左)、株式会社AFURIKA DOGS代表・中須俊治さん

 職人歴約50年の西田さんは、京友禅の特徴を「繊細な風合い」と話す。「うちの工房では、何もない『無』の白い生地に手描きで染色していきます」。25メートルという長さの生地に手描き染めを行える工房は他にないといい、その熟練の技にハイブランドからのオファーが絶えない。

「AFURIKA DOGS」公式サイトより
「AFURIKA DOGS」公式サイトより

 中須さんは30歳。トーゴ共和国の繊維を仕入れて日本で売るという形でアフリカ支援を行っている。銀行員時代の担当として西田さんと出会い、染料で汚れた手が美しいと感じ4年前に独立。トーゴ繊維×西田さんの染色という新しい事業でイノベーションを起こす。

 トーゴの20センチ幅の手織り生地をつなぎ合わせ試行錯誤して染色、完成した生地をパリに持っていった中須さん。ハイブランド「サンローラン」デザイナーの目に留まり、交渉を進めるものの、ネームタグをつけると西田さんの仕事が見えなくなるため契約直前で断ったという驚きのエピソードも。事業拡大を続けるが、コロナ感染拡大の影響で飛行機が飛ばなくなり、これまでの仕事がすべて止まってしまう。そこで、工房を公開し技術を体験する企画を立ち上げた。京都西陣にアパレルショップもオープン。勢いは止まらない。

 西田さんの技術と世界観に心底惚れる中須さんは「課題解決や伝統を守るという切り口でなく、エンターテイメントや体験など楽しいもので世の中に届けたい」と柔軟な思考を語る。そして「新しい『流彩染め』を完成させて世の中に出したい」と74歳にしてチャレンジを続ける西田さん。ふたりの今後のさらなる活躍に注目したい。




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