夫にボーガン発射、妻に保護観察付き猶予刑「泣いて謝りながらの犯行」計画性認めず 神戸地裁 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

夫にボーガン発射、妻に保護観察付き猶予刑「泣いて謝りながらの犯行」計画性認めず 神戸地裁

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 神戸市兵庫区で2020年7月、ボーガン(洋弓銃)で夫を撃ち、包丁で切り付けたとして殺人未遂の罪に問われた女(34)の裁判員裁判で、神戸地裁は21日、懲役3年・執行猶予5年(猶予期間中は保護観察処分)を言い渡した。

神戸地裁「被告は被害者である夫と再婚を望み、猶予期間での更正は可能」と判断
神戸地裁「被告は被害者である夫と再婚を望み、猶予期間での更正は可能」と判断

 初公判で女は、新型コロナウイルスの影響で夫が職を失ったために収入が不安定になったことで恨みを持つようになり、離婚を切り出したが拒否された。そこで「(夫を)殺すしかない」と考えるようになり、事件の約1か月前、2020年6月に宝塚市で、家族ら4人がボーガンで撃たれ死傷した事件を伝える報道に接し、インターネットで購入して犯行に及んだと述べた。

 夫とは事件後に離婚したが、元夫として証人尋問に出廷し「再び一緒に暮らしたい」と述べ、女は最後に「短絡的な理由で命を奪おうとしたことを後悔している」と陳述した。

 検察側は、女が約2メートルの至近距離からボーガンを発射したことなどから「殺傷能力の高いボーガンを用いた極めて危険な犯行であり、強い殺意に基づき、悪質性が高い。模倣犯の防止のためにも厳罰が必要だ」として懲役5年を求刑、弁護側は「(小柄な)被告は夫より体格が劣るため、反撃を恐れて高い殺傷能力の凶器を使わざるを得なかった。凶器がボーガンだからといって量刑を重く判断するのは間違いだ」などと主張し、 執行猶予の付いた判決を求めていた。

 判決で神戸地裁は「短絡的だが、日常的な夫の身勝手さに耐えられず、相談相手が居ない中で追い詰められていた。泣いて謝りながら犯行に及ぶなど、計画的に進めたとも言えず、夫と再婚する意思を示していることから、(5年の)猶予期間での更正は可能」とした。

 判決によると、女は2020年7月26日未明、神戸市兵庫区の自宅アパートの寝室で寝ていた夫(37)の頭にボーガンの矢を発射、命中させたうえ、首に包丁を突き刺して、加療約2か月の重傷を負わせたとされる。

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