コシノヒロコさんに聞く!「コシノヒロコ展は元気になれる展覧会」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

コシノヒロコさんに聞く!「コシノヒロコ展は元気になれる展覧会」

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――県立美術館によると、「ファッション勉強中」という来場者も多いそうです。

【コシノ】 洋服なんかも、ファッションを志している人からみると、テキスタイルデザインとかカッティングだとか、いろんな色の取り合わせとか、アクセサリー、それに靴など全部。デザインが上から下まで見えて、ファッションショーで見るのとは違い克明に、後ろからも下からも、手に取ってもらっては困るんですけど、手に取って見られるような状態で見られる。会場では細かい説明は一切ないんです。見て感じる世界がまず大切なんです。だから視覚を刺激するということ。後でさらに知りたいと思ったら図録を見ていただいたら、克明にわかります。

――コシノさんの原点がファッションだけではなくアートも、なんですね。

【コシノ】 子どもの頃、非常に物がない時、戦争の時に、私の持つ才能を母がわかって、米ではなくパステルを買ってくれたんです。これがアートに対する気持ちのきっかけになっている。それが今でもあって、アーティストとファッションデザイナーが私の中で混濁しているんですよ(笑)。

――コロナ禍でファッションに対して感じることはなんでしょう?

【コシノ】 緊急事態宣言が延長されて、皆さん気持ちの中でどんどん拘束されたような気持ちになってるんですけど、人間が生きていく中で人の心を大切にしないといけない。それがなければ生きていけない訳ですよね? 人の心は文化というエネルギーがないと生きていけないというのが真実なんです。だからコロナ禍で一番大事なのが文化的なレベルの、人に対する根本的な元気を与えていくということ。もちろん経済も大事だけど、コロナで亡くなる人もいる、自殺者も多い、これは絶対に避けないといけない。そういったことも考えていかないといけない時代に来ているんじゃないかなと思います。

――その中で子どもたちにアートの素晴らしさを伝える活動もされています。

【コシノ】 次の時代を担う子どもたちに対して何を与え教育していくか、そしてその精神をどのように成長させていくかということになれば、基本は文化的な考え方のレベルを大人たちが導いていかないといけない訳ですが、そのようないい環境を作っていくことが大事。そのためには美術館であるとか劇場であるとか、いいものを小さい時にたくさん見せることはとっても大事なこと。生きるための力を与えていくというか、子供の時からきっちりと授けていくことが重要じゃないかと私は思うんです。

子どもだけじゃなくて大人もすべての人たちがコロナを通じて、今の気持ちがふさぎ込んでいるところももっともっと前向きに、未来に対して希望を抱けるような気持になれるような、そういう瞬間を味わっていただきたいと思いますね。そういう形の中でもこの展覧会が非常にお役に立つと、これをやった意味があるんじゃないかと思っています。

コシノヒロコさん

◆コシノヒロコ展 EX-VISION TO THE FUTURE 未来へ
会場 兵庫県立美術館
会期 2021年4月8日(木)~6月20日(日)
休館日 月曜
【特別展サイト(兵庫県立美術館HPより)】

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