兵庫県警は28日、交番で勤務中に性行為をし、職務を怠ったなどとして、いずれも甲子園署に勤めていた女性巡査部長(29)を減給の懲戒処分、男性巡査長(26)を本部長訓戒、男性巡査部長(33)を所属長訓戒の処分とした。 内部通報があり発覚した。 3人とも既婚者。女性巡査部長と男性巡査長は同日付で依願退職した。
兵庫県警では2020年3月にも、尼崎東署管内の交番で既婚者の男性巡査部長と独身の女性巡査が不倫関係となるなど不適切な行為が判明し、懲戒処分を受けたばかり。 2017年9月にも兵庫署の武道場更衣室で性行為をした既婚者の男性警部と独身の女性巡査が処分されている。
兵庫県警・監察官室によると、女性巡査部長は2019年8月~2020年2月ごろ、不倫関係だった男性巡査長と交番で性行為をしたり、警察署内の執務室でも性的な行為をしたりした。女性巡査部長が勤務していた交番は女性用の仮眠室がなく、夜間は警察署で休憩することになっていた。また男性巡査部長とは2020年3~5月ごろに不倫関係となり、交際前に署内で勤務中「そっちに行っていいか」などと通信アプリ「LINE (ライン)」で連絡、男性が仮眠していた部屋でみだらな行為をしていたという。
女性巡査部長は「けじめがつけられなかった」、男性巡査長は「浮かれていた」などと話しているという。女性巡査部長は2人を相手に不適切な行為をしたため、より重い減給処分となった。
こうした不祥事に西宮市の40代の主婦は「いま、 コロナ禍で市民は生活全般にさまざまな制約を受けている。これだけ我慢を強いられているのに、治安を守るべき警察官が職場でこうした行動を取るのは信じられない」と話した。また30代の男性会社員は、2019年に男性巡査が包丁で刺され、拳銃を奪われた事件が起きた大阪府吹田市の交番近くに住み、2020年10月に西宮市に転居したが「交番の警察官は、とにかく一生懸命という印象だったが『これが同じ警察官か?』とあきれる。本気で地域の安全を守る自覚があるのか」と不信感を示した。
相次ぐ職務倫理違反について、兵庫県警の一部の幹部はラジオ関西の取材に「『けじめがつけられなかった』と説明しているというが、欲求を職務倫理や理性でコントロールするのが人間であり、警察官は一般市民の方々よりも更にレベルの高い倫理観が求められている。だからこそ、市民の皆さんから信頼を得てきたはず。これでは今後、警察官として犯罪者と対峙したり、誤ちを犯した者に人生を諭すような役割が担えるとは到底思えない」と話した。
一方、兵庫県警・監察官室は「職員への指導と職務の倫理教養の徹底を図りたい」としているが、交番のみならず、現場の警察官に対する具体的な指導や監督責任のあり方については「今後、より踏み込んだ対策を講じたい」などと述べるにとどめた。