兵庫県但馬地方の魅力を伝えるラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西 木曜午後1時~)に、豊岡市(旧城崎郡日高町)出身のまちづくりアドバイザーが電話出演。活動のエピソードなどを語った。
「場づくり」「コミュニティづくり」をすすめる「まちづくりシンクタンク合同会社Roof」で共同代表を務める、佐伯亮太さん(播磨町まちづくりアドバイザー)。現在は、兵庫県で一番小さい町「播磨町」を拠点に、団地再生や町役場と連携した公共施設の有効活用など「コミュニティづくり」をメインに活動している。
活動の経緯について「築40年を超える団地に住むことになったのがきっかけ」という佐伯さん。「空室が目立つ団地の1室に、入居者が一緒にご飯を食べられる場所を作ったところ、会釈程度だった入居者らの『関係性』が変わりました。世代を超えて一緒に飲んだり、相談しあったり」と、団地が活性化。「そこから入居者が増えて最終的には40代の女性が単身で入居するようになったんです。理由を尋ねると『オートロックとは違う、みんなで見守りあう安心感が魅力的だった』と話してくれました」と、場づくりを契機に、魅力あるコミュニティができあがった秘話も明かした。
大阪も通勤圏内のベッドタウンでもある播磨町で、佐伯さんが今、取り組んでいるのは、町の30代40代でつくるフリーペーパー『ニュー☆ハリマ』。「自分のまちにあまり興味がなかった人も手にしてくれるなど反響も大きい。自費出版ですが印刷費の寄付もどんどん集まっていて、誰かがやってほしいなと思ってたことを実現させた感じです」。
そういった活動の様子に、番組パーソナリティーを務める演出家・劇作家の平田オリザさんも共感する。「私も埼玉県富士見市で芸術監督を務めていたことがありますが、ここも昼夜の人口差が大きい典型的なベッドタウン。確かに平日の昼間は(まちに)いないんですが、アートや演劇を通じてつながることを意外と皆さん欲していらした。リタイアされた方で現役時代、大手新聞社でカメラマンをされていた方が舞台写真撮影を名乗り出てくださったりしました。そういう街だからこそ実はいろんな方がいるんです」と自身の経験を振り返った。
「みんな文化的な素養はあるんですが、まちで活かす場、活かすきっかけがない。『文化的』がどうしても『娯楽』ととらえられてしまうのがもったいない。自分たちの生活をより豊かにしていく場を、いろんな人に相乗りしながら『旗をたてる』気持ちでやっていきたい」と、今後への意気込みを語った佐伯さん。
平田さんは「本であっても演劇であってもスポーツであっても、広い意味での『文化』でつながっていくのが、これから大事になってきますね。ぜひ、豊岡にも来ていただいて、そのご経験を活かしてください」とエールを送った。
※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。
『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp