介護や家事などを日常的に行う若者=「ヤングケアラー」の相談・支援窓口 神戸に開設 全国初 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

介護や家事などを日常的に行う若者=「ヤングケアラー」の相談・支援窓口 神戸に開設 全国初

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 障がいや病気の家族の介護や身の回りの世話に追われる子どもたち「ヤングケアラー」への支援が求められるなか、神戸市は全国初となるヤングケアラーの相談・支援窓口を神戸市総合福祉センター1階に開設した。

 ヤングケアラーは、本来、大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行うのをはじめ、家庭内で家族のケアを行っている若者のこと。

 ヤングケアラーへの支援策を国に提言してきた日本ケアラー連盟は、障がいや病気、認知症のある家族の直接の世話だけでなく、◆障がいや病気のある家庭に代わって買い物や料理・掃除などの家事をしている、◆幼いきょうだいの世話をしている、◆家計を支えるために労働をして障がいや病気のある家族を助けている、とその実態を指摘。神戸市では、18歳未満の児童だけでなく、20代も含めて施策の対象としていることから、市民に伝わりやすい名称として「こども・若者ケアラー」と呼んでいる。

 こうした家族のケアを行うなかには、子どもとして守られるべき権利、例えば学校や友だちとの時間、クラブ活動への時間が侵害されていたり、体調を崩したり、誰にも相談できずに抱え込んでしまっている場合もあるという。また大学などへの進学、就職への影響があるほか、20代の「こども・若者ケアラー」においては、仕事と介護の両立や、結婚・子育てといった自身のライフステージの変化への影響なども、深刻な問題となっている。

 今年4月の国の調査で、ヤングケアラーは中学2年生の5.7パーセント、高校生では4.1パーセント、1学級につき1人程度、存在する可能性があるという結果になった。神戸市に当てはめると、10代・20代で1万~1万2千人の「こども・若者ケアラー」がいることになる。

 負担が重く孤立しやすい若者の支援に向けて、「こども・若者ケアラー相談・支援窓口」では、ケースに応じた支援へとつなげていくという。具体的な相談内容は、介護保険サービスや障害福祉サービス等の公的サービスの活用に向けた調整や、家族に対するアプローチ、学校等における見守り、寄り添い、ケアラー同士の交流・情報交換のための居場所づくり(年度後半を予定)など。

 神戸市福祉局こども・若者ケアラー支援担当課長の岡本和久さんは「こども・若者ケアラーの問題は、非常にわかりにくいのと、当事者自身はなかなか声をあげにくいという問題がある。まずは“ヤングケアラー”や“こども・若者ケアラー”の問題を知り、周りが声をかけることから支援につながれば」と話す。

 神戸市「こども・若者ケアラーの方の相談窓口」は、電話(078-361-7600)、Eメール(carer_shien@office.city.kobe.lg.jp ※@は小文字)、または現地への来所により相談を受付。なお、来所による相談は電話やEメールでの予約があればスムーズに窓口へつながるという。神戸市立総合福祉センター1階の開所時間は平日の午前9時~午後5時(土日祝、年末年始を除く)。

神戸市福祉局こども・若者ケアラー支援担当課長の岡本和久さん(右)と、『サンデー神戸』レポーターのぷりん亭芽りん

【こども・若者ケアラーの方の相談窓口(6月1日開設)※神戸市HPより】

【『サンデー神戸』番組HP】



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サンデー神戸 | ラジオ関西 | 2021/06/06/日 09:00-09:30

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