実は、1996年にアニメのストーリーを原作とした『101』と、2001年にはブチのない102匹目のダルメシアン、オッド・ボールが大活躍するオリジナルストーリーの『102』の2本が実写映画として作られていて、いずれも主演のクルエラをグレン・クローズが演じている。
そして今回2021年の「クルエラ」でタイトルロールを演じるのは『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞・主演女優賞を受賞したエマ・ストーン。パンクムーブメントが吹き荒れる70年代のロンドンで、デザイナーを夢見る少女エステラが、何故あの悪名高いヴィランになったのかを描くストーリー展開。ギスギスにとがった風貌のアニメ版の極悪非道なクルエラとも、グレン・クローズ扮する実写版のクルエラとも違う、ファッショナブルでスタイリッシュな、そして夢をもって自立を目指すクルエラの誕生秘話が語られるのだ。
白と黒のツートンカラーのヘアー、ユニークなファッションセンスでデザイナーを目指す少女エステラは、母親が亡くなり、天涯孤独。ひょんなことからジャスパーとホーレスという二人の浮浪児に出会い、一緒に生活することになる。
ファッション業界に憧れた少女はやがて大人になり、苦労の末その才能を認められ、モード界の女王・オートクチュールデザイナーのバロネス(エマ・トンプソン)のもとで働くようになる。
色とりどりのドレス、ファッションショーにパーティー、70年代のあの名曲たちがパンキッシュなアレンジで響き渡り、エレガントなバロネスの上流階級ファッションと、クルエラのパンクでアヴァンギャルドな時代の先端をいくファッションが対立する。
クルエラだけで47種類のコスチュームを手がけたという衣装デザイナーのジェニー・ビーバンは、かつて『眺めのいい部屋』と『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で2度のアカデミー賞に輝いているベテラン。二人のエマが身にまとう、キャラクターが際立つドレスの数々は本当に見ものだ。
今まで描かれることのなかった幼少期。天性のファッションセンスを持ち、いじめっ子にも敢然と立ち向かう少女エステラが、どうしてあのクルエラになっていくのか……衝撃的な事件と怒涛の展開。
監督は、2017年にフィギュアスケート界を揺るがしたナンシー・ケリガン襲撃事件の中心人物、トーニャ・ハーディングの半生を描いた『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』のクレイグ・ギレスピー。日本版では、クルエラの声を吹き替えている柴咲コウがエンドソングを歌っているのも話題のひとつだ。
サイコで悪女、だけどクールでカッコいいニューヴィラン誕生! 犬たちも可愛くて、最後にちゃんと「101匹わんちゃん」につながるところなど、続編への期待も大だ!!