初役に挑む中村児太郎 市川海老蔵企画公演「いぶき、」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

初役に挑む中村児太郎 市川海老蔵企画公演「いぶき、」

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「午後4時にホテルに戻って翌朝3時頃までずっと(『妹背山婦女庭訓』の映像を)見ていました。諸先輩の映像を見たり、文楽のCDを聞いたり、なんでこうなんだろうな?というところを読み直していく。コロナ禍の中でこうやって公演をさせていただけることは当たり前じゃないと見つめなおすことができる機会になったので、ビデオを見て稽古を重ねています」

 そう熱く語る児太郎は、坂東玉三郎からの言葉を胸に、稽古への思いを明かす。

「うまくなるためとか、いい芝居やりたい、この人になりたい、と思っても、その人が一歩、1時間でも努力したらさらにうまくなる。その人よりうまくなろうと思ったら、その倍・倍・倍とやってかないと。どれだけ稽古しても足りないと思います。(坂東)玉三郎のおじさまに言われたのは 『舞台に出る前は頑張るぞ、いいものを見せるぞと思っていいけれど、幕が閉まった瞬間に自分は最もダメな役者だと思いなさい。そうすると、うぬぼれたときには見えないものが見え、意見されても冷静になれる。自分を絶対過大評価しないように』と言われて。それ以降は稽古をしていたほうが落ち着きます」

 全身全霊で役に挑む児太郎。そのうえで、芝居にかける決意を語った。

「今までも熱量はすごく高かったと思うのですが、一つの作品、一つの役にフォーカスする時間がものすごく増えたので、これまで以上に高いかもしれないですね。こういう状況のなかで観に来てくださったお客様が『来てよかった』『また見たいな』と感じていただけるように、『この熱があふれすぎて熱いよ』と思っていただけるくらい、盛り立てていかなければと思っています。芸は未熟かもしれないですが、若さという熱量は、今だからこそ出せます。劇場側もこれ以上やりようがないというくらい、感染予防の対応をしてくれています。命をかけて、全身全霊でぶつけて参りますので、ぜひ足を運んでいただけたらと思います」

◆市川海老蔵企画公演「いぶき、」
2021年6月17日(木)~20日(日)
昼の部 12:00開演 / 夜の部 16:00開演
※17日(木)は昼の部のみ1回公演
会場 京都・南座


【市川海老蔵企画公演「いぶき、」のお知らせ(歌舞伎公式サイト『歌舞伎美人』より)】

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