東京五輪・柔道女子52キロ級代表に内定している阿部詩(20)=兵庫県出身=が16日、報道各社の取材にオンラインで応じた。あと1か月余りとなった大舞台について、「いよいよ近づいてきたなという気持ち。攻めて攻めて、しっかり一本を取りに行く『阿部詩の柔道』を見せられるよう、普段通りの準備をしている」と、引き締まった表情で話した。
新型コロナウイルスの影響で、五輪の開催は1年先延ばしとなった。昨夏からの1年間については、「柔道の練習がないと、体力や技術の上達は難しい。できることをしっかりやろうと、走ったり、トレーニングをしたりと気持ちの面、精神面で成長できたと思う」と手ごたえを口にした。
阿部が出場する52キロ級では、日本勢が金メダルを獲得した前例がない。また、柔道男子66キロ級で代表になっている兄・一二三(23)とともに、きょうだいで金メダルを獲得すれば史上初の快挙となる。阿部は「(兄は)ずっと前を走ってくれて、追いかけてきたが、今は一緒に走っている感じ。2人で金メダルを首から下げる姿をよくイメージするようにしている。2人で覚悟を持って試合に挑みたい」と、強い意欲を示した。
地元・兵庫のファンから、金メダルの有力候補として大きな期待がかけられていることについては、「兵庫で応援してくれている方の期待を裏切らないように、金メダルを持って帰りたい」と語った。