苦難を乗り越え、新チーム「東海ネクサス」はこの春、船出した。最初の試合は東海・中部地区の女子硬式野球チームが所属する「センターリーグ」結成の初めての大会だったが、いきなり優勝した。
「すごくうれしかった。結成当時に加入してくれた4人のおかげ。彼女たちがいなければこの勝ちはなかった。小さいかもしれないけど、特別な勝ちだった」
島を離れて3年。かつてのチームメイトはそれぞれの場所で頑張っている。碇さんは、「すごく幸せな気持ちです。淡路島にいた時は、何言っているんだろう、と(選手は)思っていたんだろうけど、伝わっていたのかな。離れているけど、みんなでやっている感覚です」。そして「(淡路島で)成長できたと思う。苦しさもあったけど、家族みたいなチームになれた。今後の人生にも役に立つ3年だったと思います」と胸を張る。
最後に東海ネクサスの目標を聞いた。
「おもしろいチームが出てきたぞ、というところを全国に伝えたい。勝ちながらチームをつくっていきたい」。そして、こう続ける。「いずれ公式戦で、(淡路島で)一緒にやっていたメンバーとできたら、すごく楽しいと思う。(淡路でも見たい?)絶対にやります(笑)」。
淡路島で咲いた花が、愛知・一宮でも咲き始めた。碇さんと選手たちの新しい挑戦は始まったばかりだ。
(最終回は、兵庫ディオーネの元選手 田中朋子さんと泉由有樹さん)
◆女子プロ野球が淡路島に残したもの
【(1)選手たちの今 大山唯さん】